月間レポート

【2026年1月】VRChat人気「ワールド」ランキングTOP10|Booth傾向分析

2026-06-05更新: 2026-07-13約32分で読めます · 15,900文字
【2026年1月】VRChat人気「ワールド」ランキングTOP10|Booth傾向分析

ワールドは、アバターや衣装のように着せ替えて持ち歩くのではなく、Unityのシーンに「置く」か、Udonで「動かす」かたちでVRChatに持ち込む、少し経路の違うカテゴリです。2026年1月にBoothで公開された新作を上から並べると、完成した部屋まるごとより、誰かのワールドに置かれる「パーツ」が上位を占めるという、このカテゴリらしい景色が見えてきました。

首位に立ったのは、地面をもくもくと這うフォグで空間の密度を一段上げる演出パーティクル(1,373スキ)でした。まずはこの1点から順に見ていきます。

📊 データについて 集計日: 2026-07-13 / 対象: 2026-01-01〜2026-01-31 にBoothで公開されたスキ数300以上のワールド(33件)

注目ワールド10選

集計時点(2026年7月)のスキ数で並べたランキング形式で、1点ずつ中身とボリュームを見ていきます。

1位:もくもくフォグパーティクル / NORIBEN LUNCH

地面をもくもくと這うフォグのパーティクルアセット。ライブステージの足元、温泉の湯けむり、ワールド全体の空気感づくりまで、1つ置くだけで空間の密度がぐっと上がるタイプで、1,373スキと1月のワールドカテゴリでは最多スキを集めました。

中身は1種類ではなく、普通のビルボード版と、視点を動かしてもメッシュがぐるぐるしない「VRでも自然な見え方」版の2種類 が入っていて、それぞれ大・中・小・ミニの4サイズ。VRC Light Volumes に対応していて、ワールド側のライトの色をフォグが受けられるので、夕暮れのオレンジでも夜の青でも空気ごと染められます。デプスバッファを使ったソフトパーティクルやカメラ距離フェードなど、板っぽさを消す処理が一通り入っているのも、撮影で寄ったときの質感に効いてきます。¥1,200(チーム利用は¥3,600)。

このフォグを出している NORIBEN LUNCH さんは、6位のネオンテトラパーティクルをはじめ、鳥の鳴き声パーティクルやミラーボールなど空間演出系を同月にいくつも公開 していて、1月のワールド演出系をかなりの割合で1人で担っていました。空間に「動き」と「奥行き」を足すパーツに特化したショップです。

NORIBEN LUNCHさんによる紹介PV

2位:シンプル家具セット Vol.2 FFP-02 / Atelier f

照明器具だけを全42Prefab集めた、無料の家具セット第2弾。壁掛けのキューブライト、天井埋め込みのダウンライト、吊り下げの筒形ペンダントライト(ロング・ショート)、壁掛けの間接照明、吊り下げのロングライトという5系統を、それぞれ「Lightコンポーネントの有無」と「黒・白・ダークウッド調の3色」で展開した構成です。これが完全無料で、1,164スキを集めて完成ワールドを押さえ2位に入りました。

配布の条件もかなり開かれていて、テクスチャにCC0素材を使っているため営利・非営利、有償・無償を問わず自由に使えるうえ、利用規約では販売ワールドへの組み込み販売・配布まで明示的に許可されています。テクスチャは4K解像度を同梱しつつインポート設定で1Kに圧縮される作りなので、目立つ場所だけ解像度を戻す、という調整も効きます。ポリゴンも1灯あたり△28〜△1,784と軽量です。

後半のキーワード集計で「ペンダントライト」「ライト」が上位に並ぶとおり、照明はワールド制作で特に需要の高いパーツ。その需要のど真ん中に無料で応えた1点が2位まで上がってきたのは、1月の並びを象徴する出来事でした。

3位:RARAの足音ギミック / RARAlabo

ワールド内を歩くと、移動に合わせて足音が鳴るUdonシステム。自分だけでなく他のプレイヤーの足音も再生 され、歩きと走りを移動速度から自動で判別、さらに足元の床の材質を見て音を切り替えるという、没入感を音から作りにいく1点です。1,081スキで3位、価格は¥200です。

導入は用途で2段階。「どこを歩いても同じ足音でいい」なら FootstepsManager を置いて音を登録するだけ。「ここはカーペット、ここは金属」と床ごとに変えたいなら、その床に FootstepSurface を足して個別の音を入れる、という設計です。負荷面も、遠いプレイヤーの足音は計算しない距離間引きや、AudioSource を使い回すオブジェクトプーリングがあらかじめ組まれていて、人が増えても破綻しにくいように作られています。

商品説明の最後に「サンプルの足音は自宅にあった靴で録音しました。自分で足音録音するの楽しいのでおすすめです」と添えられているのが、いかにもワールド制作の手触りで楽しいところ。視覚ではなく音で空間を仕上げるという、衣装やアバターとはまた違う作り込みの入り口です。

Sponsored

4位:RBS SmartJoinLog / らずべりー工房

インスタンスのジョイン履歴を全部記録して、スクロールで遡れるジョインログギミック。VRChat標準だと「自分が入る前のログ」は見えませんが、これは後から入った人にも過去の入退室がすべて同期される のが核で、長時間立てっぱなしのワールドほど効いてきます。1,013スキで4位に入りました。

透明パネルに [Join] / [Leave] がタイムスタンプ付きで積み上がっていくシンプルな見た目で、らずべりー工房さんの睡眠系ワールド(「雨音と共に」「おやすみの夜」)で実際に使われているもの。寝落ち中に誰が来て誰が抜けたかを後から確認できる、というV睡(VR睡眠)文化に根ざした実用ギミックです。価格は¥500です。

足音(3位)と同じく、ワールドの体験そのものを底上げする「仕組み」側のギミック で、見た目の派手さよりも「あると気が利く」方向の作り込み。こういう縁の下のシステムが上位に来るのも、ワールドカテゴリならではです。

5位:Calmium / bろくく

リビングと寝室の2部屋でできた、木目基調のホームワールド。前提アセットを入れてシーンを開けばそのままアップロードできる作りで、朝・昼・夜のライティング済みサンプルシーンが用意されているので、好きな時間帯を選んですぐ自分のワールドにできます。931スキで5位、Top 10 で唯一の完成ワールドです。¥2,000(チーム利用は¥2,500)。

うれしいのが設置済みのフォトフレームに好きな写真を飾れる 点で、自分の思い出のスクショを部屋に並べる、みたいな使い方ができます。Quest など他プラットフォームにも対応(ナイトモードのみPC専用)で、容量も30MB前後と軽め。一部屋4〜5人想定の少し狭めの空間なので、フレンドと数人でだらっと過ごす用途に寄せた設計です。

完成ワールドとしては、「巨大な多目的空間」ではなく「居心地のいい狭い部屋」に振り切っている のが好印象。VRChatのホームワールドは広ければいいわけではなく、人がたまる密度を作れるかが効くので、サイズ感から逆算して作られたワールドだと感じます。

6位:ネオンテトラパーティクル / NORIBEN LUNCH

1位のフォグと同じ NORIBEN LUNCH さんの、青く光るネオンテトラの群れが空間を泳ぎ回るパーティクル。ワールドのコライダーにぶつかると方向転換するので、置いた部屋の形に沿って魚が回遊してくれます。GPU Instancing で軽量化されているのもポイントです。930スキで6位、¥1,200(チーム利用は¥3,600)。

動きはサークル(大小2種+小2)・直線・スパイラルの6種類 を同梱。水中ワールドや幻想的な撮影スポットはもちろん、ライブ会場やラウンジの天井付近に流しても画になるタイプで、こちらも VRC Light Volumes 対応でワールドの光を受けて発色します。PC用ワールド専用(モバイルは対象外)。

フォグ(1位)が「面」で空気を作るのに対し、こちらは「線」で動きを足す——NORIBEN LUNCH さんが1月に出した一連の演出パーティクルは、ワールドに「環境の気配」を足すという一貫したテーマ でまとまっていて、1人のショップでここまで上位を占めるのはワールドカテゴリらしい集中でした。

NORIBEN LUNCHさんによる紹介PV

Sponsored

7位:AYATECH HoverPlane Flyingfish / あややねさんのおみせ

ワールドに置くだけで乗れる、フワフワした乗り心地のホバークラフト兼航空機。無料の飛行システム「SaccFlight」に対応していて、対応プレハブを入れた状態でワールドに配置すれば、そのまま飛び回れる乗り物になります。ショップ宣伝企画として無料配布(¥100のお布施オプションあり)で、833スキを集めて7位に入りました。

SF・近未来テイストの機体で、トビウオ(Flyingfish)の名前どおり、水面すれすれを滑空させても空を飛ばしても画になるデザイン。乗り物系はワールドの回遊性をぐっと上げてくれる要素で、広いワールドに1つあるだけで体験が変わります。

ワールドの「中身」は家具や背景だけでなく、こういう乗って遊べるオブジェクトも含まれる のがこのカテゴリの幅。無料で置けるので、自作ワールドに乗り物を足してみたい人の入り口にちょうどいい1点です。

あややねさんのおみせさんによる紹介PV

8位:Fantasy Lamp Set / はるさめ雑貨店

クラゲ・鉱石・きのこの3モチーフをそろえた、ファンタジー志向のランプセット。JellyFish は PhysBone 入りで触るとぷるぷる揺れ、周囲を泡のパーティクルが回ります。Stone はステンドグラスのドームに鉱石が収まった置き型で、鉱石がほんのり光り、キラキラしたパーティクルが漂う作り。Mushroom は光る胞子が飛ぶきのこ型で、こちらもすべてのきのこが触ると揺れます。833スキで8位に入りました。

価格は単品各¥500、3種セットで¥1,300。lilToon前提のワールド向け小物で、Stone にはカラーバリエーションが5色あり、ワールドの色調に合わせて選べます。Point Light はあえて入っていないので、実際に周囲を照らしたいときは自分でライトを足す、という置き物寄りの設計です。

テイスト集計で「幻想的」はモダンに次ぐ2番手の軸。1位のフォグや6位のネオンテトラが空間全体の空気を演出するパーツだとすると、こちらは手元に置いて触って遊べる1点もの で、幻想系ワールドの密度を近距離から上げる側のパーツです。

はるさめ雑貨店さんによる紹介PV

9位:置くだけ!リアルな海シェーダー / 西風楽団

セットアップ済みのPrefabを置くだけで、リアルな海が広がる海面シェーダー。色や波の細かさを調整でき、遠くが自然に霞んで円形の水平線 が出るので、ビーチや南国リゾートのワールドを手早く作れます。833スキで9位、¥750です。

海や水面はワールド制作でつまずきやすいパーツの代表格で、自前で作ると波・反射・水平線の処理が一気に重くなりがち。それを「置くだけ」に畳んでくれるのがこの手のシェーダーの価値で、月刊BOOTH3Dカテゴリの2月号にも掲載された注目アセットです。1月の公開後も、波の大きさ調整やDirectional Lightの影響度設定など、こまめに機能が足されています。

「ワールド1個まるごと」ではなく「難しい1要素だけ」を商品化する という売り方は、ワールド制作者の「ここだけ自作だと大変」をピンポイントで肩代わりする、需要に素直なアプローチです。

10位:プリ機ギミック【めんだこプリ】 / めんだこすいさん加工センター

撮影・らくがき・保存までできる、プリクラ機まるごとのワールドギミック。幅2m × 奥行き4m × 高さ2.2m ほどの筐体で、ワールドに置けばフレンドとプリクラ感覚で撮影 → らくがき → 印刷(画像保存)まで遊べる、イベントワールドや誕生日会に映える1点です。774スキで10位。本体は¥2,000で、印刷(画像保存)機能を外した負荷検証用の無料体験版も別途用意されています。

フレームと背景は自分で用意した9:16の画像を差し替えできる ので、ワールドの世界観に合わせたオリジナルのプリ機にできます。らくがきブースには「つかめる文字ボード」も付属。複数台の設置にも対応していて、ビルド後容量は約12MB(ほとんどがフレーム・背景画像なので削れば軽量化可)。らくがきにはQVPen(無料)を使う構成です。

筐体デザインには「みみのこ」アバターが使われていて、アバター・ギミック・ワールドの要素が1台に混ざっている のがいかにもVRChatらしいところ。撮影需要の強いワールドカテゴリで、「撮る場所」そのものを商品にした発想が効いています。

めんだこすいさん加工センターさんによる紹介PV

Sponsored

集計ベースの数字と、分析軸ごとのランキングで1月のワールド全体を見ていきます。

指標
対象件数33 件
平均スキ数640
中央値スキ数528
平均価格¥908
中央値価格¥500
無料商品の割合約18%(6 / 33件)
¥1,000未満の割合約61%(20 / 33件)
「撮影向け」タグの登場17 / 33件
Top 10 の完成ワールド / 置くだけアセット / Udonギミック1 / 6 / 3 件

特徴・ギミック:Udonとシェーダー演出が二本柱

特徴・機能 TOP10

商品の特徴や機能・ギミック種別の分布。

機能タグを集計すると、Udonが11件・ワールドギミックが10件 で頭ひとつ抜けて首位。次いでlilToon対応6、シェーダー6、ピックアップ可能6、Quest対応5、パーティクル5、同期対応5と続きます。アバターや衣装が「見た目」中心なのに対し、ワールドは 「動く・反応する・同期する」というインタラクション軸 が傾向の中心に来るのが、カテゴリの性格をよく表しています。

Udon系の中でも、足音(3位)やジョインログ(4位)のような実用系だけでなく、触って遊べる小ギミックも層が厚い月でした。

くるやさんの「食べられる☆ぼだっこ飯」は、持ってUSEするとラップが外れ、お箸を近づけるとご飯とぼだっこ(鮭)が4対1の確率でつかめて、食べるところまで再生されるUdonギミック。ぼだにゃんという猫モチーフ付きで、同じくるやさんの「食べられる☆もつ鍋」と並んで、ワールドに置く「食事シーン」そのものをインタラクションにした かわいい系の人気ギミックでした。どちらも¥200、見た目の可愛さ+おまけのギミックという気軽な立ち位置です。

もうひとつ、音まで作り込んだ演出系のUdonがこちら。

NORIBEN LUNCH さんの「鳴き声付きとんびパーティクル」は、10匹ほどのとんびが空を舞い、20〜60秒間隔でピーヒョロロと鳴くパーティクル(¥1,100)。鳴き声は海岸で実際に収録された音声で、おおよそのとんびの位置から3Dオーディオで再生され、とんびの移動に合わせて音源も動きます。1位のフォグ・6位のネオンテトラと同じショップの1点で、集計プールにはさらにミラーボールも入っており、NORIBEN LUNCH さんは1月だけで4点が300スキ超え。空間に「気配」を足す演出パーツへの特化ぶりが際立ちます。シェーダー側は9位の海シェーダーや1位のフォグが代表格で、Udon(動き)とシェーダー(質感)の両輪でワールドの空気が作られているのが1月の構図です。

キーワード:「撮影向け」と家具の名前で探される世界

キーワード頻度 TOP20

VRCFinderが独自に付与したキーワードの集計。テイストや特徴の傾向が見えます。

ワールドのキーワード集計には、このカテゴリ特有の面白さがあります。最頻は 「撮影向け」で17件(33件中の半分以上)。ワールドは「住む」より「撮る」目的で選ばれることが多く、これはアバターや衣装の写真を映す「背景」を探している人がいかに多いかの裏返しです。続く「インテリア」14件・「ホームワールド」9件もその文脈にあります。

そして注目したいのが、「ペンダントライト」7・「テーブル」6・「ライト」6・「ソファ」5 と、具体的な家具・小物の名前が並んでいること。VRChatのワールドを探すときは、「おしゃれな部屋」のような雰囲気の言葉だけでなく、「ソファが欲しい」「照明が欲しい」と、具体的なアセット名で探される ことも多いようです。VRCFinderでも、ワールド商品のキーワードは「家具」「インテリア」のような大きな括りで止めず、収録されている個別のアセット名までできるだけ拾うようにしています。集計に具体的な家具名が並ぶのは、そうしたデータの整え方が表れた結果だと思います。2位に無料の照明セットが入ったのも、この「部品を名前で探す」需要と地続きです。

その「部品を揃える」需要を象徴するのが、こちらのパーテーション。

Toraba Store さんの「Partition×4」は、すりガラス調のアクリルパーテーション(¥200)。高さは200 / 180 / 150 / 120cmの4段階、アクリルのマテリアルも4種類入っていて、スタンドの表示切替でパネルを直角に並べれば簡易的な個室も作れます。ポリゴンは各△192とごく軽量で、半透明越しに背景がふわっとボケる質感がきれい。商品ページに「パーテーション以外の3Dモデルは入っていません」と明記して、最小単位の家具パーツを1つだけ丁寧に作って安く出す スタイルは、自分でワールドを組む人向けのパーツ需要にまっすぐ応えるものです。

テイスト:モダンと幻想的、和の癒し系も

テイスト傾向 TOP10

このテーマで人気だったテイストの分布。

テイストはモダンが6件で首位、幻想的が5件 で続き、シンプル・ナチュラル・癒しが各4件で並びます。モダン・シック・ナチュラルは5位Calmiumのような落ち着いた居室系ワールドの方向、幻想的・癒しは1位フォグ・6位ネオンテトラ・8位ファンタジーランプのような演出アセットの方向、ときれいに二極化しているのがわかります。

幻想的×和の癒し系で目を引いたのがこちら。

サカナ-sakanasan-さんの「鯉鑑賞モード付き!わくわく温泉!露天風呂セット」は、ワールドのシャボン玉に触れると湯気が消えて錦鯉が回遊するアクアリウムモードに切り替わる露天風呂のセット。岩風呂・壺湯・湯気シェーダー・テレポートドアまで揃い、超低確率で金色の鯉が出る黄金モードまで仕込まれています。そのままアップロードできるサンプルシーン付きでQuest/iOSにも対応し、岩風呂や壺湯を部品単位で自分のワールドに移植もできる、完成ワールドとアセット集の中間のような「テーマ付きセット」 です。

ナチュラル系では、木のぬくもりでまとめた住まいのワールドが静かに層を作っていました。

Mimorie.さんの「Homely Room」は、人が自然と集まるこたつのリビング、静かに休めるベッドルーム、ダイニングテーブルのあるキッチン、外気を感じられるベランダまで、暮らしの導線がそのまま入った1軒(¥3,000・PC対応)。ライトベイク済みで、ストリングライトやペンダントライトの暖色が効いた夜の雰囲気が作り込まれています。5位のCalmiumが「2部屋のコンパクトな居室」なのに対し、こちらは生活シーンを一通り揃えた「家」で、同じ木目・ナチュラル系でも設計の方向性が違うのが面白いところ。Mimorie.さんは同月にコンクリート質感の「Silence,」も出していて、集計プールに2作が入った居室系ワールドの作家です。

価格帯:¥1,000未満が約6割、無料も6点

価格帯分布

対象期間にこのテーマで公開された商品の価格帯分布。

価格分布は、最頻が¥1〜499の8件、次いで¥1,000〜1,999が7件、無料と¥500〜999が各6件。¥1,000未満を合計すると約61%(20 / 33件)です。¥5,000以上は0件で、衣装やアバターにある「重い1点高額作」がワールドにはほぼ無い のが特徴。中央値¥500という安さは、足音やパーテーションのような「部品・ギミック」が価格を引き下げている結果です。

価格帯は大きく二層に分かれていて、¥200〜750あたりに部品・ギミック、¥2,000〜3,000に完成ワールドや大型ギミック が乗ります。そして1月は無料側も厚く、2位の照明セットのほかに、完成ワールドまで無料で配られていました。

GASOさんの「Secret Room」は、地上から切り離された地下に作られた、静かなコンクリート空間の無料ホームワールド。外光を抑えた照明とシンプルな構成で、少人数の雑談や作業、写真撮影に向いた一室です。商品ページにはlilToonの入れ方からVCCでの新規プロジェクト作成・アップロードまでの手順が丁寧に並んでいて、初めてワールドを上げる人への導入ガイドごと無料で配っている のが印象的でした。

ワンコイン以下の安いギミックも層が厚く、たとえば天候系。

エルネSHOPさんの「ワールド雨降らしギミック」は、ドラッグ&ドロップで導入して雨を降らせられる¥300のギミック。降水量・降る範囲・雨の色・雨音の種類と音量をインスペクターから設定でき、小雨から土砂降り、血の雨まで世界観に合わせて変えられます。ワールド内に置いた操作パネルから雨と音のオン/オフも切り替えられて、雨は建物に当たると消えるので室内には入ってこない作り。¥300で「天気」を足せる 手軽さが、ワールド演出のいい入り口になっています。

クリエイター視点で見る1月のトレンド

ワールドカテゴリの読者には、すでにワールドを作っている人だけでなく、アバターや衣装・小物を作っていて「ワールドもやってみようかな」と考えている人も多いはず。Top 10 と1月全体の数字から、これから作る人に響きそうな指標 をまとめておきます。

指標1月の数字
Top 10 の完成ワールド / 置くだけアセット / Udonギミック1 / 6 / 3 件(完成ワールドは5位の1点だけ)
同月に複数作がプール入りしたショップNORIBEN LUNCH(#1フォグ・#6ネオンテトラ+とんび・ミラーボールの計4作)、Mimorie.(居室系2作)
Top 10 の無料配布2件(#2 照明セット、#7 HoverPlane)
Top 10 の最多スキ1,373(#1)。衣装・アバターの万単位に比べ天井は低め
¥5,000以上の商品0件(高額の大作より、安い部品が並ぶ分布)

ワールドクリエイター注目ポイント:

  1. 完成ワールドを作らなくても参入できる — Top 10 の6割は「置くだけ」の単体アセット、3割がUdonギミックで、部屋まるごとの完成ワールドは1点だけ。1個のいいパーティクル・1個の便利なギミック・1個の照明セット で上位に入れる構造で、アバターや衣装のように「フルセットを最後まで仕上げる」プレッシャーが薄いのが、このカテゴリの入りやすさです。

  2. アバター・衣装クリエイターの隣接スキルがそのまま活きる — パーティクル(NORIBEN LUNCH)・シェーダー(西風楽団の海)・3D家具モデル(Atelier f、Toraba Store)は、改変・小物・テクスチャを作ってきた人の技術の延長線上にあります。新しく覚える必要があるのはUdonくらいで、それも足音・ジョインログ・雨のような小さな仕組みから始められるのが3位・4位の顔ぶれから見えてきます。

  3. 「撮影向け」需要=自分の作品を映す背景づくり — 最頻キーワードは「撮影向け」で33件中17件。アバターや衣装を作っている人ほど、自分の作品を撮る背景を必要としているわけで、自分の世界観に合う小物や部屋を自作する動機が、そのままワールドアセット制作の入り口になります。撮影需要は、作り手と使い手が同じ層で重なりやすい軸です。

  4. ニッチな需要に最初に応えた1点が定番を取れる — 足音・天候・ジョインログ・照明と、1月の上位には「まだ専用商品が少ないテーマ」にいち早く応えたアセットが並びました。スキ数の天井は他カテゴリより低め(最多1,373)ですが、その分、経路がアバター改変と違うぶん手つかずのテーマが残っていて、最初の1点がそのままジャンルの定番になれる 開拓余地の大きい領域です。

まとめ

2026年1月のワールドは、完成した部屋を丸ごと売るより、「誰かのワールドに置かれるパーツ」が上位を占めた 月でした。地面を這うフォグ、無料の照明セット、床ごとに変わる足音、置くだけの海、触ると揺れるファンタジーランプ——Top 10 の6割は単体アセット、3割がUdonで動くギミックで、完成ワールドは1点。中央値¥500・無料6点という価格分布も、「1要素だけを安く商品化する」というこのカテゴリの作り方をそのまま映しています。

ワールドは、アバターや衣装のように着せ替えて持ち歩くのではなく、Unityのシーンに置くかUdonで動かすかたちでVRChatに持ち込む、少し経路の違うカテゴリです。でも上位を見ると、パーティクルもシェーダーも家具モデルも、アバターや小物を作ってきた人の技術と地続き。最頻キーワードが「撮影向け」だったように、自分の作品を映す背景が欲しいクリエイターほど、ワールドアセット制作への距離は近いはずです。足音やジョインログ、照明のようなニッチ需要に最初に応えた1点がそのまま定番になっていく――今のアバター・衣装制作のスキルを少し横にずらすだけで、ワールド側にもう1つ作品を置ける。そんな入り口の広さを感じさせる1月でした。

Sponsored

2026年1月のほかのカテゴリ

2026年1月にBoothで公開された新作は、カテゴリ別に月次レポートとしてまとめています。


データについて

  • 集計日: 2026-07-13(初出公開時の集計日: 2026-06-05)
  • 集計対象: 2026-01-01 〜 2026-01-31 に Booth で公開されたワールド(33件)
  • ランキング基準: 集計時点での like_count(スキ数)降順
  • ブラッシュアップ: 本記事は2026-07-13に構成を最新フォーマットへ更新し、ランキング・統計も同日の再集計値へ差し替えています
  • 掲載条件: VRCFinderのDBには スキ数300以上の商品 のみを収集しているため、集計時点でスキが300に達していない商品はこの集計に含まれていません
  • 注意: 本記事の数値・ランキングは集計日時点のスナップショットです。その後の変動を反映していないため、現在の数値とは異なる場合があります。また「公開」はBoothの商品ページが公開された時期を指し、実際の販売開始時期とは異なる場合があります
  • 各商品の対応モデル・スペック・価格は Booth 商品ページに基づきますが、記事執筆時点の情報です。セール価格・アップデート情報は変わる可能性があるため、購入前に Booth 商品ページをご確認ください
シリーズアーカイブ

ワールド月次レポートの記事

同じ連載の過去記事・最新記事をまとめて読めます。

次に読む記事

タグやカテゴリが近い記事から、続けて読みやすいものを選びました。

ブログ一覧に戻る