ワールドは、アバターや衣装のように着せ替えて持ち歩くのではなく、Unityのシーンに「置く」か、Udonで「動かす」かたちでVRChatに持ち込む、少し経路の違うカテゴリです。2026年1月にBoothで公開された新作を上から並べると、完成した部屋まるごとより、誰かのワールドに置かれる「パーツ」が上位を占めるという、このカテゴリらしい景色が見えてきました。
首位に立ったのは、地面をもくもくと這うフォグで空間の密度を一段上げる演出パーティクル(1,373スキ)でした。まずはこの1点から順に見ていきます。
📊 データについて 集計日: 2026-07-13 / 対象: 2026-01-01〜2026-01-31 にBoothで公開されたスキ数300以上のワールド(33件)
- 注目ワールド10選
- 1位:もくもくフォグパーティクル / NORIBEN LUNCH
- 2位:シンプル家具セット Vol.2 FFP-02 / Atelier f
- 3位:RARAの足音ギミック / RARAlabo
- 4位:RBS SmartJoinLog / らずべりー工房
- 5位:Calmium / bろくく
- 6 位:ネオンテトラパーティクル / NORIBEN LUNCH
- 7位:AYATECH HoverPlane Flyingfish / あややねさんのおみせ
- 8位:Fantasy Lamp Set / はるさめ雑貨店
- 9位:置くだけ!リアルな海シェーダー / 西風楽団
- 10位:プリ機ギミック【めんだこプリ】 / めんだこすいさん加工センター
- 2026年1月の傾向
- まとめ
注目ワールド10選
集計時点(2026年7月)のスキ数で並べたランキング形式で、1点ずつ中身とボリュームを見ていきます。
1位:もくもくフォグパーティクル / NORIBEN LUNCH
地面をもくもくと這うフ ォグのパーティクルアセット。ライブステージの足元、温泉の湯けむり、ワールド全体の空気感づくりまで、1つ置くだけで空間の密度がぐっと上がるタイプで、1,373スキと1月のワールドカテゴリでは最多スキを集めました。
中身は1種類ではなく、普通のビルボード版と、視点を動かしてもメッシュがぐるぐるしない「VRでも自然な見え方」版の2種類 が入っていて、それぞれ大・中・小・ミニの4サイズ。VRC Light Volumes に対応していて、ワールド側のライトの色をフォグが受けられるので、夕暮れのオレンジでも夜の青でも空気ごと染められます。デプスバッファを使ったソフトパーティクルやカメラ距離フェードなど、板っぽさを消す処理が一通り入っているのも、撮影で寄ったときの質感に効いてきます。¥1,200(チーム利用は¥3,600)。
このフォグを出している NORIBEN LUNCH さんは、6位のネオンテトラパーティクルをはじめ、鳥の鳴き声パーティクルやミラーボールなど空間演出系を同月にいくつも公開 していて、1月のワールド演出系をかなりの割合で1人で担っていました。空間に「動き」と「奥行き」を足すパーツに特化したショップです。
2位:シンプル家具セット Vol.2 FFP-02 / Atelier f
照明器具だけを全42Prefab集めた、無料の家具セット第2弾。壁掛けのキューブライト、天井埋め込みのダウンライト、吊り下げの筒形ペンダントライト(ロング・ショート)、壁掛けの間接照明、吊り下げのロングライトという5系統を、それぞれ「Lightコンポーネントの有無」と「黒・白・ダークウッド調の3色」で展開し た構成です。これが完全無料で、1,164スキを集めて完成ワールドを押さえ2位に入りました。
配布の条件もかなり開かれていて、テクスチャにCC0素材を使っているため営利・非営利、有償・無償を問わず自由に使えるうえ、利用規約では販売ワールドへの組み込み販売・配布まで明示的に許可されています。テクスチャは4K解像度を同梱しつつインポート設定で1Kに圧縮される作りなので、目立つ場所だけ解像度を戻す、という調整も効きます。ポリゴンも1灯あたり△28〜△1,784と軽量です。
後半のキーワード集計で「ペンダントライト」「ライト」が上位に並ぶとおり、照明はワールド制作で特に需要の高いパーツ。その需要のど真ん中に無料で応えた1点が2位まで上がってきたのは、1月の並びを象徴する出来事でした。
3位:RARAの足音ギミック / RARAlabo
ワールド内を歩くと、移動に合わせて足音が鳴るUdonシステム。自分だけでなく他のプレイヤーの足音も再生 され、歩きと走りを移動速度から自動で判別、さらに足元の床の材質を見て音を切り替えるという、没入感を音から作りにいく1点です。1,081スキで3位、価格は¥200です。
導入は用途で2段階。「どこを歩いても同じ足音でいい」なら FootstepsManager を置いて音を登録するだけ。「ここはカーペット、ここは金属」と床ごとに変えたいなら、その床に FootstepSurface を足して個別の音を入れる、という設計です。負荷面も、遠いプレイヤーの足音は計算しない距離間引きや、AudioSource を使い回すオブジェクトプーリングがあらかじめ組まれていて、人が増えても破綻しにくいように作られています。
商品説明の最後に「サンプルの足音は自宅にあった靴で録音しました。自分で足音録音するの楽しいのでおすすめです」と添えられているのが、いかにもワールド制作の手触りで楽しいところ。視覚ではなく音で空間を仕上げるという、衣装やアバターとはまた違う作り込みの入り口です。
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4位:RBS SmartJoinLog / らずべりー工房
インスタンスのジョイン履歴を全部記録して、スクロールで遡れるジョインログギミック。VRChat標準だと「自分が入る前のログ」は見えませんが、これは後から入った人にも過去の入退室がすべて同期される のが核で、長時間立てっぱなしのワールドほど効いてきます。1,013スキで4位に入りました。
透明パネルに [Join] / [Leave] がタイムスタンプ付きで積み上がっていくシンプルな見た目で、らずべりー工房さんの睡眠系ワールド(「雨音と共に」「おやすみの夜」)で実際に使われているもの。寝落ち中に誰が来て誰が抜けたかを後から確認できる、というV睡(VR睡眠)文化に根ざした実用ギミックです。価格は¥500です。
足音(3位)と同じく、ワールドの体験そのものを底上げする「仕組み」側のギミック で、見た目の派手さよりも「あると気が利く」方向の作り込み。こういう縁の下のシステムが上位に来るのも、ワールドカテゴリならではです。
5位:Calmium / bろくく
リビングと寝室の2部屋でできた、木目基調のホームワールド。前提アセットを入れてシーンを開けばそのままアップロードできる作りで、朝・昼・夜のライティング済みサンプルシーンが用意されているので、好きな時間帯を選んですぐ自分のワールドにできます。931スキで5位、Top 10 で唯一の完成ワールドです。¥2,000(チーム利用は¥2,500)。
うれしいのが設置済みのフォトフレームに好きな写真を飾れる 点で、自分の思い出のスクショを部屋に並べる、みたいな使い方ができます。Quest など他プラットフォームにも対応(ナイトモードのみPC専用)で、容量も30MB前後と軽め。一部屋4〜5人想定の少し狭めの空間なので、フレンドと数人でだらっと過ごす用途に寄せた設計です。
完成ワールドとしては、「巨大な多目的空間」ではなく「居心地のいい狭い部屋」に振り切っている のが好印象。VRChatのホームワールドは広ければいいわけではなく、人がたまる密度を作れるかが効くので、サイズ感から逆算して作られたワールドだと感じます。
