2026年5月にBoothで公開された新作ギミック・ツールの中から、スキを多く集めた10点をデータと一緒に振り返ります。この月に目立ったのは、アバターの見え方を仕上げる道具と、作ったあとのデータを守る・畳む道具が同時に伸びた ことでした。
首位に立ったのは、髪の重なりや服のシワの隙間に接触影を描き足すシェーダー(7,746スキ)。まずはこの1点から、作り込みのポイントを順に見ていきます。
📊 データについて 集計日: 2026-07-24 / 対象: 2026-05-01〜2026-05-31 にBoothで公開されたスキ数300以上のギミック・ツール(90件)
注目ギミック・ツール10選
集計時点(2026年7月)のスキ数で並べたランキ ング形式で、1点ずつ仕組みと使いどころを見ていきます。
1位:lilSSRT / MeltzzZ
髪の重なりや服のシワの奥に「本来あるはずの影」を描き足して、アバターの立体感を底上げするシェーダー。VRChatのアバターは光の向きに応じて明暗が付きますが、髪の下の首筋、袖口と手首の境目、リボンと胸元のあいだのような「物と物が近づいた隙間」は暗くならず、パーツが体から浮いた平たい印象が残りがちです。lilSSRTは画面に写っている奥行きからその隙間を見つけて暗く落とすので、同じアバターでも彫りが深く、地に足の着いた見た目になります。7,746スキを集めて5月の首位に立ちました。
接触影とは別に、疑似的な間接光も入っています。周囲の色を拾って、カメラ基準の反射光をアバターに乗せられます。青い壁と赤い壁に挟まれた場所に立てば、体の左右がそれぞれの色をうっすら帯びる——その場の空気ごと写り込ませられる機能です。
影の届く範囲・サンプル数・厚みの判定・透明部分への影響・視野角の補正といった項目が細かく開かれていて、軽く動かしたいときと画質を追いたいときで振り分けられます。販売は本体¥1,000、対応アバター21体ぶんのマスクテクスチャが付く構成が¥1,300、マスク単体が¥500。公開からの2か月弱でミラーやVRでの表示不具合の修正、距離別に陰影を調整する機能、5段階の品質プリセットまで積み上がっています。
2位:あしウゴカシ / マサカ煮屋
両手から伸びる仮想の「操り棒」で、足を手の動きで操れるようにするギミック。頭と両手の3点トラッキングでは足を自分の意思で動かせず、脚を組む・足先を相手に向ける・しゃがんだ姿勢を作るといった表現は、フルトラッキング用の機材を買い足すのが従来の答えでした。あしウゴカシは操り棒の先を足首につなぎ、腕を動かせば足がそのままついてくる——という置き換えでそこを解いています。7,350スキで2位、¥500。
メニューには棒の長さと表示のオン・オフ、足首の角度をX・Y・Zの3軸で詰めるスライダー、そして片足だけを空中に固定する左右のロックが並びます。片足を留めておいてもう片方だけを動かせる ので、体育座りや脚を組んだ姿勢をその場で組み立てて、そのまま写真に収められます。
導入はUnityのメニューからアバターを選んでボタンを1つ押すだけ。アバターごとに足の軸の定義が違うため、標準的な角度範囲に収めた通常版と、±180度まで振れる足首角度FREE版の2つが用意され、合わなければ取り外して入れ直せます。ミルティナ・イチゴ・しなの・キプフェル・海咲・輝夜などで動作が確認されていて、基本的にはHumanoid設定のアバターなら動きます。
3位:スケールエディター / ASCEND
部位のボタンを押してスライダーを動かすだけで、アバターの体型を変えられるエディタ拡張。手作業なら、アーマチュアのボーンを1つずつ選んでスケール値を書き換え、着せている衣装側にも同じ調整をやり直すことになりますが、このツールはアバターのルートをウィンドウに入れて部位を選ぶだけ。衣装同期をオンにしておけば服も体に自動で追従する ので、その往復ごと省けま す。3,627スキで3位、¥500。
調整の軸は全体サイズ・頭・胴体・腕・脚に分かれ、頭だけでも大きさ・横幅・縦幅が別々に動きます。ケモ耳の長さと太さ、尻尾の長さと太さまで専用の枠がある のがこのツールらしいところで、実験扱いの肩幅も並びます。プリセットには幼児体型とモデル体型、それに元のサイズへ戻すボタンが用意されていて、入れた直後からワンクリックで振れます。
仕上げは足元の接地位置と視点の高さを整えて確定するだけ。作ったプリセットは有償・無償を問わず販売や譲渡が認められているので、自分の詰めた体型をそのまま配布物にできます。導入にはModular AvatarとFloor Adjusterが必要です。
Sponsored
4位:Chu♡Hi / もちもちショップ
缶の中身を口に含み、相手へ口移しする一連の流れを、音・糸・吐息・頬の色までつないで再生する演出ギミック。缶を口元へ運ぶと中身を含んだ状態になり、そのまま相手と口を重ねると口移しが始まります。2,539スキで4位に入りました。
飲ませる側と飲まされる側の両方が用意されていて、相手も同じギミックを入れていれば役割を交代できます。含んでいるとき・口移しの最中・そのあとの余韻という3つの場面それぞれに、好きな表情のシェイプキーを割り当てられます。表情を設定しなくても音とパーティクルは動くので、まず入れてから詰めていく順番でも構いません。
メニューはオン・オフ、相手のドリンクも飲む、ドリンクの表示、そしてパブリックモードの4つ。パブリックモードは相手の頭のコライダーを検知して反応する方式で、届く距離が相手の設定に左右される代わりに、細かい位置合わせなしで成立します。
導入はUnityのメニューからプレ ハブ生成を実行するだけで、アバターへの設置・口元と手の位置合わせ・缶の配置までまとめて済みます。同梱のチューハイ缶はエナジードリンク缶に切り替えられ、おちょこやグラス、ペットボトルなど手持ちのモデルへの差し替えも認められています。通常版¥500、中身が同じ支援版が¥800です。
5位:Anti-Ripping / 紫陽花広場Works
抜き取られたアバターのデータを「復元に手間のかかる状態」にしておく、無料の保護ツール。2,523スキで5位に入りました。
背景にあるのは、「アバターリッピング」と呼ばれてたびたび話題になる問題です。VRChatにアバターをアップロードすると、描画のためにそのデータは同じ場所にいる人のPCへも配信されます。この仕組み上、専用の抽出ツールを使われるとモデルやテクスチャを取り出せてしまい、抽出の行為そのものを完全に止める手立ては今のところありません。買ったアバターや自作のアバターが無断で持ち出されかねない——クリエイターにも利用者にも悩ましい問題です。
Anti-Rippingはその対策として、取り出された後のデータが簡単には元に戻らないようにする ことに力を注いでいます。
防御は3つの方向に分かれます。ひとつは見た目そのものを鍵で守る層で、鍵がなければメッシュの形が崩れ、テクスチャはノイズ画像として開きます。ふたつめは流出の追跡で、アセットに作者情報を埋め込み、階層に追跡用のオブジェクトを置き、ビルド時の情報をレポートに書き出します。3つめは名前の難読化で、オブジェクトやシェイプキー、アニメーターの名前を16桁の記号列に置き換えて 中身を読み解きにくくします。
鍵は8バイトの解錠キーと、ビルドごとにランダム化される8個のアドレスで管理され、常駐アプリがVRChat側のアバター切り替えを見て鍵を渡す作りです。ただしテクスチャの復元には専用のシェーダーが要るので、そこまで有効にすると、シェーダーが無効になりやすいフレンド外の視点ではモザイク調に見えます。ここは守りの強さと見え方のトレードオフで、見た目に一切影響を出さずに中身だけ守りたい場合の設定手順 も併せて案内されています。プリセットは軽い保護・推奨・強保護の3段階です。
6位:Beat Hologram Shader / yossy222
曲のテンポ(BPM)を数値で入れるだけで、拍に合わせて光るホログラム風シェーダー。アバターの輪郭が粒の集まりになり、指定したテンポで明滅と走査線が走ります。2,383スキで6位、無料です。
マテリアルの設定を開くと、色の指定に続いてBPM、暗い側と明るい側の強さ、光が引くまでの速さが並びます。走査線の細かさと流れる速度、グリッチの頻度とずれ幅もそれぞれ数値で持っているので、淡く息づく程度から、派手に走査線が乱れる見せ方まで同じシェーダーで振れます。
近づかれたときの扱いも作り込まれていて、一定の距離まで寄られるとフェードして消える 設定が入っています。作者いわく「眩しいので」という理由で、クラブやライブ会場のように人が密になる場所で使うことを見越した配慮です。BPMを指定する版のほかにAudioLink対応版も同梱されていて、こちらは流れている音に直接反応します。MITライセンスで公開され、無料版のほかに中身が同じ支援版が¥500で並びます。
Sponsored
7位:SataPop! / さたにあしょっぴんぐ
口元にストローを持っていくと本当に飲める、しゅわしゅわ炭酸のドリンクギミック。透明なカップの中で炭酸が立ちのぼり、雲のクリームやネモフィラの花が浮かびます。人気ギミック「さたにあ式タバコギミック」を制作された さたにあしょっぴんぐさんの新作 で、2,364スキの7位に入りました。
飲めるだけなら演出で済みますが、この作品が広がったのは アセットを持っていない相手にも飲ませられる ところです。相手が触れられる設定にしてさえいれば、差し出したストローで一緒に飲めます。飲み残しは20秒、飲み切ったカップは7秒で元に戻るので、何度でも差し出せます。
同梱されるのは6種のドリンクで、それぞれに専用のトッピングと色が組まれています。加えてストロー3種、カップとフタとグラス、ストローに挿す飾り6種、そしてクリーム・チェリー・レモン・氷・花・うさぎといった改変用のパーツがひととおり。色を差し替えるためのマスクと改変向けのプレハブも入っていて、自分の配色でオリジナルのドリンクを組み上げられます。フタあり・フタなしのプレハブが別に用意されているのも、飲み口の見え方を選べる細やかさです。
アバター版とワールド版の両方があり、ワールド版はトリガーからも飲めます。価格は両方入るフルセットが¥1,000、アバターギミック版が¥600、ワールドギミック版が¥500、液体の揺れを含まないモデル単体が¥400。SataPop!のファイルを含まない形なら、自作テクスチャの配布・販売も認められています。
8位:VRC World Build Optimizer / kuzuki-shop
ワールドの全アセットをまとめて解析して、ビルド容量をワンクリックで削るUnity拡張ツール。手作業なら1アセットずつインポート設定を開いて回る削減調整が、数百点あってもボタン1つで済みます。商品画像では164.7MBのビルドが91.7MBまで落ちた例が示されていて、1,803スキで8位に入りました。
対象はテクスチャの解像度上限(既定は1024×1024)とCrunch圧縮、ミップマップの読み込み方式、読み書きの無効化、オーディオの圧縮形式・ロード方式・品質、それにメッシュの圧縮レベル・反射プローブの解像度・フォントのアトラス圧縮まで。ワールドの容量が膨らむ主な要因を、ひととおり1回の解析でカバーします。
圧縮は見た目の品質と引き換えになるので、適用前に自動でバックアップが作られる のがこのツールの安心材料です。設定値を控えておくだけでなく、フォントや反射プローブのように設定だけでは戻せないものはアセット本体ごと保存されます。解析結果と削減の見込み、問題のあるアセットの一覧はテキストに書き出せます。
現在はベータ版としてMITライセンスの無料公開で、正式版の公開をもって有料販売へ切り替える と明言されていて、支援版¥300を買った人は正式版もそのまま使えます。正式版より割安な設定にしてあるとも書かれていて、テスターを兼ねた先行購入の枠がきちんと設計されています。
9位:VRC Project Compressor / S&N
しばらく開かないUnityプロジェクトを専用形式へ可逆圧縮して、平均で約90%縮める保管用ツール。改変を重ねるほどプロジェクトは増え、1つで数十GBを占めることも珍しくありません。zipで固めてもUnityのデータ形式とは相性が悪く6割ほどしか縮みませんが、このツールはデータの種類ごとに適した方法で圧縮して.vpcという1つのファイルにまとめ、テクスチャなどを劣化させずに畳めます。1,639スキで9位、¥500。
商品画像では、222GBのプロジェクト群が19GBまで縮んだ例が挙げられています(テスト結果の加算平均で、圧縮率を保証するものではないと注記されています)。
日常的に触るプロジェクトには、同じショップが出している不可逆の軽量化ツール が案内されています。テクスチャの最適化と未使用データの削除で減らす 方式で、保管用の本ツールとは役割がはっきり分かれています。
動作環境はWindows専用で、処理はCPUとメモリを中心に進みます。公開後もおよそ2か月のあいだに圧縮・解凍の高速化や安定性の向上、対応言語の追加が続いています。
10位:七色残像ギミック / みやしろ
動いたあとに七色の尾が残る、パーティクルの残像ギミック。ダンスや撮影で軌跡を見せたいときに効く1点で、1,539スキで10位に入り、無料で配布されています。
残像を出す場所は部位ごとに選べます。頭・体・髪・衣装・アクセサリーのそれぞれにパーティクルが用意されていて、必要なところだけ設定すれば済みます。設定といっても、パーティクルの形状の項目にアバター側のメッシュを指定するだけ。名前が一致していなくても、対応する部位に割り当てられていれば動きます。
初期状態ではパーティクルの再生速度が9倍に設定されていて、そのぶん軌跡が濃く尾を引きます。動作が重いと感じたら速度を落とせばよい——という調整の勘どころまで案内が添えられています。導入にはlilToonとModular Avatar、それにメニュー生成用のツールが必要です。髪だけに七色をまとわせて回る、衣装の裾だけ光らせる といった使い分けが、無料で試せます。
Sponsored
2026年5月の傾向
ランキングだけでなく、2026年5月にBoothで公開された90点のギミック・ツール全体から見えてくる傾向を、データで見ていきます。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 対象件数 | 90 件 |
| 平均スキ数 | 939 |
| 中央値スキ数 | 598 |
| 平均価格 | ¥751 |
| 中央値価格 | ¥500 |
| 無料商品の割合 | 29%(26 / 90件) |
| ¥1,000未満の割合 | 71%(64 / 90件) |
| 「MA対応」の商品 | 51%(46 / 90件) |
| Top 10 のうち無料で導入できる | 4件(#5・#6・#8・#10) |
平均スキ数939に対して中央値は598。上位2点が7,000台に抜けたぶん平均が引き上げられた形で、首位と2位の差は400スキほどしかありません。先頭を2作が並走した月 だったことが数字にも出ています。
特徴・機能:MA対応が土台、シェーダーが3か月で3倍に
特徴・機能 TOP10
商品の特徴や機能・ギミック種別の分布。
機能軸の集計はMA対応46 / シェーダー20 / パーティクル17 / lilToon対応15 / シェイプキー15 / ワールドギミック9 / ワールド固定9 / Udon8 / ブレンドシェイプ8 / PhysBone対応5。Modular Avatarの上で動く構成が全体の半分を占めて土台になっているのは、これまでの月と変わりません。
変化がはっきり出たのはシェーダーで、3月6件・4月12件・5月20件と、3か月で3倍を超えました。機能軸の2位まで浮上した格好です。1位のlilSSRTと6位のBeat Hologram Shaderがどちらもシェーダーだったように、見え方そのものを作る道具がカテゴリの中で厚みを増しています。
キーワードの集計ではギミック32 / 撮影向け30 / エディタ拡張25 / 演出22 / 無料22が上位。撮影向けが30件と、4月の23件からさらに伸びました。
ワールド側で見え方を作る1点として、こちらが目を引きました。
virtual-boysさんの「Under Sea Shader」は、空を映す枠に当てるだけでワールドを海の中に沈められるシェーダーです。momomaさんとコクリコさんの制作チーム「3NEN works」が開発したもので、波打つ水面、そこから差し込む日光、砂地で揺らめく光の網目までを表現します。通常のメッシュに当てれば、その部分だけ空間が抜けているように見せる こともできます。セットアップ済みのマテリアルが9種類入って¥460。
パーティクル側では、ネタに振り切った1点が伸びました。
金曜雑貨さんの「全てを『知って』しまったギミック」は、ハンドサインを組むとアバターを中心に銀河と数式が広がり、当人が宇宙の真理に到達してしまったように見える パーティクルです。飛び出す数式は20種類。宇宙の大きさと始点をメニューから変えられるので、頭の周りにだけ数式を舞わせることも、全身から宇宙を噴き出すこともできます。展開した宇宙をその場に固定して、フレンドに代わりに立ってもらう遊び方も紹介されています。効果音を自分で差し替 えられる作りで、¥500。
対応モデル:ミルティナと海咲が同数で先頭に
対応モデル TOP10
対応しているアバターモデルの分布。
対応モデル軸はミルティナ7 / 海咲7 / しなの4 / マヌカ4 / キプフェル3 / ミルフィ3 / まよ2 / エク2 / ルルネ2 / 彼方2という並びです。定番のミルティナと 同数で先頭に立った海咲は、5月にBoothで公開されたばかりの新しいアバター で、同月のアバターレポートでも首位に立った1体でした。
出たばかりの素体に、その月のうちに対応データが7件も付く——ギミック・ツールのカテゴリが、新しいアバターの登場にどれだけ速く反応しているかが見える数字です。その代表格がこちら。
エカシリコンさんの「海咲用もちふぃった~対応データ」は、衣装の自動変換ツール「もちふぃった~」に読ませるためのプロファイルです。ポイントは 変換が双方向に効く ところで、他のアバター向けの衣装を海咲に着せることも、海咲用の衣装を他の子に着せることもできます。体型やスタイルを合わせるシェイプキーに加えて、服全体をゆったり/ぴったりに寄せるフィット感調整用のキーまで同梱され、貫通が出たときの逃がしどころが用意されています。¥600。
Top 10の2位に入った足の操作ギミックと同じ方向で、対応アバターを絞り込んで作られた1点も伸びました。
しぅのなでアト リエさんの「しぅ式"足なでギミック"」は、フルトラッキング環境がなくても足を手のように扱えるようにする ギミックです。企画をしぅさん、ギミック開発をmoruraboさんが担当した体制で、足首の角度と上下前後の位置を細かく詰められる操作感に振ってあります。撫では人によって感じ方が違うという断りを添えたうえで、対応データはしなの・マヌカ・ミルティナなど13体ぶん。個別のアバター版が各¥1,000、全部入りのフルセットが¥2,000で、リナシータ版は反響を受けて無料公開が常設化 されました。
価格帯:中央値¥500へ戻り、¥3,000台が6件に
価格帯分布
対象期間にこのテーマで公開された商品の価格帯分布。
価格分布は無料26 / ¥1-499が12 / ¥500-999が26 / ¥1,000-1,999が17 / ¥2,000-2,999が3 / ¥3,000-4,999が6 / ¥5,000以上が0。無料と¥500-999が26件ずつで並び、そこまでで全体の7割弱を占めます。中央値は¥500で、4月の¥300から戻りました。
上の帯では ¥3,000-4,999が6件と、4月の3件から倍に増えました。¥1,000未満の割合も79%・80%と続いていたところから71%へ下がりました。小さなツールを広く配る性格は残しつつ、腰を据えて作り込んだ道具に相応の値を付ける層が厚くなってきた月です。
無料26件の側からは、ワールドに置くタイプの1点を。
だまこやさんの「フリーポジションミラー」は、掴んで持ち運べるコントローラーから好きな位置に鏡を呼び出せる ワールドギミックです。ボタンを押すごとに背景込み・背景透過・非表示と切り替わり、縦向きと横向きの回転、90度単位のスナップ、スライダーでのサイズ変更まで手元で完結します。決められた範囲から出ると自動でオフになり、5分間だれも操作しなければ初期位置へ戻る——という後片付けまで組み込まれているのが、公共の場に置くギミックらしい設計です。鏡には自分と他人の両方が映り、収納ドックの有無で3種類のプレハブが入って無料。
Sponsored
クリエイター視点で見る5月のトレンド
Top 10と5月全体の数字から、ギミック・ツール制作者の視点で注目したい軸を4つ拾い上げます。3月・4月レポートと比べたときの差分が見えるように、3か月を縦に並べてみました。
| 指標 | 2026年3月 | 2026年4月 | 2026年5月 |
|---|---|---|---|
| 対象件数 | 113 件 | 83 件 | 90 件 |
| 中央値価格 | ¥500 | ¥300 | ¥500 |
| 中央値スキ数 | 598 | 632 | 598 |
| 無料の割合 | 33% | 33% | 29% |
| ¥1,000未満の割合 | 79% | 80% | 71% |
| 機能軸「シェーダー」 | 6 件 | 12 件 | 20 件 |
| ¥3,000以上の件数 | 6 件 | 3 件 | 6 件 |
| Top 10 内 PV搭載 | 6 件 | 5 件 | 4 件 |
ギミック作家注目ポイント:
-
首位が2か月続けてシェーダーになった — 4月は距離に応じて影をぼかすシェーダー、5月は接触影と疑似的な間接光を足すlilSSRTと、アバターの見え方を一段引き上げる道具がカテゴリの先頭に居座りました。機能軸のシェーダーも6件→12件→20件と3か月で3倍を超えています。撮影向けというキーワードが30件で上位に来ることと合わせると、「作ったものをどう見せるか」に需要の重心が寄っているのが読み取れます。
-
作ったあとを支える「守る・畳む」ツールが3点 — 5位の難読化ツール、8位のワールド容量最適化、9位のプロジェクト圧縮。どれもアバターやワールドそのものを作る道具ではなく、完成したデータをどう守り、どう保管するか に効く裏方です。改変を続けるほどプロジェクトは増え、公開するほど流出の心配も出てきます。作る楽しさの隣にある地味な困りごとが、上位3枠ぶんの需要になったのが5月の特徴でした。
-
無料の出し方が「本体無料+支援版」に寄った — Top 10で無料か ら始められる4点のうち、5位・6位・8位の3点が支援用の枠を併設しています。しかも8位は「正式版の公開で有料へ切り替える、支援版を買った人は正式版もそのまま使える」と先の予定まで書いたうえでの¥300。無料で広く配るか有料で出すかの二択ではなく、無料で入口を開けて応援したい人だけが払う形 が定着してきました。一方で価格の上の帯も厚くなり、¥3,000以上は4月の3件から6件へ倍増しました。
-
3点トラッキングの制約を手で埋める発想 — 2位のあしウゴカシは、両手から伸びる仮想の棒で足を引っ張るという解き方で7,350スキを集めました。Top 10圏外でも、足を手のように扱えるようにするギミックが伸びています。機材を買い足さないと届かなかった表現を、手の動きの割り当てで届かせる ——この方向は、対応アバターごとにデータを用意する手間さえかければ、まだ拾える困りごとが残っていそうな領域です。
まとめ
2026年5月のギミック・ツールは、アバターを仕上げる道具と、作ったあとのデータを守る・畳む道具が、同じ月のランキングに同居した 月でした。首位のlilSSRTが埋めたのは、髪の重なりや服のシワといった「隙間が暗くならない」という見え方の穴です。その一方で、5位の難読化ツール、8位のワールド容量削減、9位のプロジェクト圧縮と、完成したデータをどう守り、どう保管するかに効く裏方が3枠を占めました。作ることそのものではなく、その前後にある地味な手間へまっすぐ応えた道具が、まとめて上位に並んだ格好です。
2位のあしウゴカシが示したのも、似た方向の解き方でした。機材がなければ届かなかった足の表現に、両手から伸びる棒という割り当てを1つ足すだけで手が届く。無料で入口を開けて支援版を隣に置く出し方が3点に広がったのも、まず試してもらうことを起点に置いた設計です。誰かが毎日ぶつかっている小さなつまずきを見つけて、そこだけを解く——その積み重ねが、そのままランキングの並びになった月だったといえそうです。
Sponsored
2026年5月のほかのカテゴリ
2026年5月にBoothで公開された新作は、カテゴリ別に月次レポートとしてまとめています。
- 【2026年5月】VRChat人気「アバター」ランキングTOP10|Booth傾向分析
- 【2026年5月】VRChat人気「衣装」ランキングTOP10|Booth傾向分析
- 【2026年5月】VRChat人気「髪型」ランキングTOP10|Booth傾向分析
- 【2026年5月】VRChat人気「アクセサリー」ランキングTOP10|Booth傾向分析
- 【2026年5月】VRChat人気「小道具」ランキングTOP10|Booth傾向分析
データについて
- 集計日: 2026-07-24
- 集計対象: 2026-05-01 〜 2026-05-31 に Booth で公開されたギミック・ツール(90件)
- ランキン グ基準: 集計時点での
like_count(スキ数)降順 - 掲載条件: VRCFinderのDBには スキ数300以上の商品 のみを収集しているため、集計時点でスキが300に達していない商品はこの集計に含まれていません
- 注意: 本記事の数値・ランキングは集計日時点のスナップショットです。その後の変動を反映していないため、現在の数値とは異なる場合があります。また「公開」はBoothの商品ページが公開された時期を指し、実際の販売開始時期とは異なる場合があります
- 各商品の対応モデル・スペック・価格は Booth 商品ページに基づきますが、記事執筆時点の情報です。セール価格・アップデート情報は変わる可能性があるため、購入前に Booth 商品ページをご確認ください










