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【2026年3月】VRChat「ギミック・ツール」Booth商品トレンドレポート

2026-05-16約28分で読めます · 13,535文字
【2026年3月】VRChat「ギミック・ツール」Booth商品トレンドレポート

2026年3月にBoothで公開された新作のギミック・ツールから、スキを多く集めた10点をデータと一緒に振り返ります。3月は対象が全83件で、1月56件 → 2月77件 → 3月83件と緩やかに伸び続けた一方、中央値価格は¥250(2月)から¥500へ戻り、無料の割合も44%(2月)から34%へ揺り戻しました。Top 10 の並びは顔トラ自動導入・色変更&顔影SDF生成・体型コピー・Prefab置くだけ軽量化・スケスケ位置合わせ・EXメニュー管理・UnityエラーのAI質問——と、Top 10 のほぼ全てが「改変ワークフローを楽にするツール」に振れた月 でした。中でも1位は¥3,500の顔トラ自動導入ツールで、これは1〜3月のTop 1 で最も高い価格。無料の裾野が広いままでも、面倒な作業を丸ごと自動化する高機能ツールには価格が高くても支持が集まる、という二極化が数字に出ています。

📊 データについて 集計日: 2026-05-16 / 対象: 2026-03-01〜2026-03-31 に公開されたスキ数300以上のギミック・ツール(83件)

注目ギミック・ツール10選

集計時点(2026年5月)のスキ数で並べたランキング形式で、1点ずつ仕様と作り込みを見ていきます。

1位:ふぇいとらでき~る / はむ屋

1月レポートで3位だった「ギミックつく~る」を制作されたはむ屋さんの新作で、VRChatのフェイストラッキング(VRCFaceTracking)設定を自動かつ非破壊で導入できるUnityエディタ拡張です。4,502スキで3月のギミック・ツール最上位、価格は¥3,500で、これは1〜3月のTop 1 の中で最も高い値付けでした。

このツールの肝は、「アバターをセットして3ステップ操作するだけで顔が動き出す」 という導入のハードルの低さです。アバターごとに違うシェイプキー名を、内蔵辞書と頂点の移動方向・影響領域の解析から自動推論してフェイストラッキング用にマッチングし、結果は Modular Avatar 経由で非破壊統合される設計。専用機材がなくてもスマホやWEBカメラを顔トラデバイス化する環境設定ウィザードまで同梱されていて、「機材が要る」「アバター毎に対応データが要る」「Unity設定が難しい」という顔トラ導入の3つの壁を、ツール側でまとめて引き受けています。

途中で発売された後継版「ふぇいとらでき~る2」は、購入者は無料でダウンロードできる扱い。1つの動きに複数シェイプキーを割り当て・シェイプキー限界突破・入出力の信号調整・エディタ上のライブプレビュー・リップシンクやまばたきとの自動干渉防止・.ftprofile でのプロファイル書き出し(配布可)と、顔トラ改変まわりを一通り内蔵しています。日本語・英語・韓国語・中国語・スペイン語のローカライズ対応で、UI/UX設計やPR動画など制作協力者を立てた体制で作られているのも、高単価ツールらしい作り込みです。

はむ屋さんによる紹介PV

2位:TextureColorKit / kobokits

テクスチャの色変更・AO焼き・顔影SDF生成・マテリアル/メッシュ最適化を、Unityだけで完結させるエディタ拡張。PhotoshopやGIMPを開かずに、色替えからマップ生成・PNG保存まで全部Unity内で終わらせる構成で、4,251スキで2位に入りました。¥900です。

特徴的なのが、人間の目に均一に見える CIELCH色空間 で色を調整する点。Shift(色相を相対回転)/ Replace(色相を絶対固定、無彩色や白黒にも着色可)/ Gradient(UVアイランド単位で方向グラデ)の3モードがあり、欲しい色を指定するとテクスチャを自動解析して最適パラメータを当てる自動カラーマッチも搭載しています。さらに アニメ調の顔影SDFマップを自動生成 する機能があり、商品画像でも「通常影適用」と「SDFマスク適用」の頬の影の出方の違いがそのまま比較で示されていて、lilToonの_FaceShadowTexture互換フォーマットで出力、10種アバターのSDFプリセットも同梱。GPUのレイトレーシングで高品質AOマップを高速ベイクする機能、6種パターンの手続き型ノーマルマップ生成、UVアイランドを視覚選択してマスクをPNG書き出し——と、改変者が外部ペイントソフトでやっていた作業をUnity内に丸ごと取り込んだ作りです。

日本語・韓国語・英語の3言語UIで、マニュアルもNotionで多言語整備。月内のv1.0公開後も継続更新が続いていて、4〜5月にかけて顔影SDFベイク・ノーマルマップ生成・Texture/Material/Mesh Merge(最適化)が順次追加されています。

kobokitsさんによる紹介PV
kobokitsさんによる機能紹介PV

3位:liltoon Material Editor / ぐれんちゃんぐ

lilToonマテリアルを「複数まとめて」編集できるUnityエディタ拡張。3,597スキで、Top 10 で最初に現れる無料公開枠です。アバター制作時の微調整や量産作業を時短したい人向け、と用途がはっきり絞られています。

ヒエラルキー選択と自動同期して対象のlilToonマテリアルを自動収集し、カテゴリ単位/プロパティ単位で「どこを変えるか」を細かく選んで、選択マテリアルへ一括適用できる作り。「複製して適用」で元マテリアルを保持したまま差し替えられて、直前の適用を戻すRevertもあるので、量産作業で同じ調整を何十マテリアルにも当てるときの手戻りが小さく済みます。商品画像でも「複数マテリアルを一発同期」とそのまま謳っていて、やることを「lilToonマテリアルの一括編集」だけに絞り切った潔さ が無料Top 10入りの理由が分かるツールです。日本語/英語のUI切り替えに対応しています。

4位:Silhouette+ / qbshop

「このアバターの体型いいな」と思ったときに、身長・頭身バランス・脚長などを別アバターへコピーできる体型調整ツール。3,318スキ、¥500です。お手本アバターを指定すると、Unityシーンに並べたときに高さと頭身が自然に揃うように体型を近づけてくれる作りで、コピー後はスライダーで微調整できます。

お手本がなくても、お兄さん/お姉さん/少女・少年/モデル(脚長体型)/幼児(SD体型)のクイックプリセットから体型を作れて、首・胴体・腰ヒップ・腕・脚・手足サイズなどを部位別にスライダー調整。オプションで同名ボーンを持つ衣装リグや髪リグにもスケールを反映できる ので、体型を変えたときに衣装や髪が追従しやすくなります。ボーンスケールを変える方式(メッシュは触らない)なので、極端な変形は破綻するという注意書きも正直に書かれていて、「素体で体型調整 → その後に衣装を着せる」というワークフローを推奨する形。月内のv1.0公開後、英語UI対応・衣装へのスケールコピー追加・胸板の微調整軸追加など、改変者のフィードバックを受けた更新が続いています。

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5位:EasyAvatarOptimizer / toomov

「めんどくさいから軽量化していない」人向けに作られた、Prefabをアバター直下に置くだけで軽量化が終わるツール。2,900スキの無料公開で、Top 10 の無料枠の中でも導入ハードルの低さに振り切った1点です。

このツール自体が何かを直接圧縮するのではなく、AAO(Avatar Optimizer)・Avatar Compressor・d4rkAvatarOptimizer・Meshia Mesh Simplification・VRCFury・NDMF という 既存の定番OSS軽量化ツール群を、セットアップ画面から一括導入してPrefab一個に束ねている のが設計の核。導入を簡単にするセットアップ機能と、必要コンポーネントを自動でアバタールートへ非破壊移動するシステムを用意して、「軽量化の知識がなくてもPrefabを置けば終わる」状態を作っています。画質を劣化させすぎない設定に寄せている一方、細かく詰めたい人には非推奨と正直に線引きしているのも好感が持てます。1月1位だった無料のアバター軽量化ツール「LAC」と同じく、無料 × 軽量化という系譜が3月も継続して上位に入った 形です。

toomovさんによる紹介PV

6位:すけすけ位置合わせツール / kokoa factory

服やアクセサリーの位置合わせで「奥行きがわからなくて配置しづらい」を解決する補助ツール。好きなところをスケスケ(半透明)にして、内側がどうなっているかを見ながら位置を合わせられる、というシンプルな着想の1点です。2,857スキの無料公開で、アップロードしたものには反映されない(Unity作業時だけのプレビュー用途)設計。

商品画像でも、髪の内側・腕まわり・ブーツの中といった「外からは見えないけど位置合わせで困る部分」をスケスケにして合わせる例が並んでいて、MA対応・非破壊・ボタンで簡単オンオフという扱いやすさが強調されています。対応シェーダーはlilToonとPoiyomi。ライセンスはMITで、GitHub公開 + VPMリポジトリ化 までされていて、改変支援ツールにおけるOSS配布の流れがこのカテゴリで定着しているのが見て取れます。

kokoa factoryさんによる紹介PV

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7位:EX Menu Manager / ADDTools

エクスプレッションメニュー(EXメニュー)やパラメーターを、簡単に無効化・削除できる管理ツール。2,364スキの無料公開です。各メニュー項目やパラメーターのON/OFFを設定することで、意図しないシェイプキー制御による改変の破綻や、パラメーター不足を解消できます。

メインメニュー・サブメニューを個別にON/OFFでき、Modular Avatarで追加・制御されている項目も対象。EXメニュー側でOFFにしたものと同名のパラメーターは自動でON/OFFされる設計で、パラメーターのSyncedも個別に切り替えられます。プレビューで数値を確認しながら調整でき、復元機能も付いているので、「同じアバターでも用途ごとに設定を変えたい」「メニューやパラメーターを毎回いじるのが面倒」という改変初心者の不満をまるごと引き受ける位置づけ。ADDToolsさんは後述の傾向セクションで触れる無料の「Material batch Changer」も3月に出していて、メニュー管理とマテリアル管理の両方を無料ツールで埋めにきている のが特徴です。

8位:Unity AI Helper / れもねるうるねる

Unityのコンソールに出たエラーを、ワンクリックでAIに原因と解決策を聞けるエディタ拡張。2,349スキの無料公開で、人気ギミック・ツール「Avatar Blink Fix」を制作されたれもねるうるねるさんの新作です。

エラーをコピペして翻訳して検索して……という手間を、Unity内のボタン1つに圧縮するのが核。VRChat SDK・Modular Avatar・lilToon・Poiyomi といった VRChat関連ツールに特化したAI知識 を持たせてあるのが普通の汎用AIと違うところで、類似エラーを自動でグルーピングして大量のエラーもまとめて問い合わせできます。画面キャプチャを貼っての質問、エラー以外の自由質問、文脈を踏まえた追加質問、回答レベル(初級=手順を丁寧に/中級=メニューパス込み/上級=コード中心)の切り替えにも対応。AIはGoogle AI Studioの無料枠(Gemini API)を使うため追加課金は不要で、本体無料 + AI APIも無料枠で完結 という構成です。2月7位「UnityAgent」(自然言語でUnity操作を代行するAIエージェント)に続いて、AIを改変支援に組み込む流れが3月も継続してTop 10入りした格好です。

れもねるうるねるさんによる紹介PV

9位:脳内に直接語りかけていますギミック / ぶんふぃにてぃ

手や頭から自分にしか見えない透明の球を出して、それを相手の頭にかぶせると、その人にだけ事前設定した音声を聞かせられるネタギミック。2,205スキで9位、¥250です。Top 10 がほぼツール(エディタ拡張)で埋まった3月の中で、純粋なランタイム演出ギミックとして並んだ数少ない1点でした。

音声は4つまで設定でき、インバイトの音やその場にいないフレンドの声を聞かせて慌てさせたり、複数人で話しているときに二人だけ抜け出すお誘いをしたり、といった使い方が想定されています。右手から出る版・左手から出る版・頭から出る版があり、デスクトップ勢は頭から出る版を使う構成。「仲の良いフレンド間でお使いください」と注意書きが添えられている、距離感の近い遊び向けのギミックです。Modular Avatar設定済みでPrefabをドラッグ&ドロップして音声を設定するだけ、と導入も軽め。

ぶんふぃにてぃさんによる紹介PV

10位:なんでもチョコミントブループリセット for Poiyomi / Lawdamassyしょっぷ

当てるだけでアバターをまるごとチョコミント(ミントブルー)系の色味に振り直せるPoiyomi用シェーダープリセット。商品名のとおり、面倒な色調設定をいじらなくても、適用すればチョコミントカラーの世界観に仕上がるのが核です。1,921スキ、¥600で、Top 10 が改変支援ツール一色になった3月の中で、シェーダープリセットとして並んだ枠でした。

プリセットは基礎で2通り用意されていて、v1は輪郭線を付けたままでも合うアニメ調、v2はリアル調に影のトーンを整えたもの と、仕上がりの方向で使い分けられる構成。これに加えて、支援版にはキプフェル用に調整した(他アバターにも適用可能な汎用)プリセットが1種付きます。商品画像もミントブルーのリムライトでまとまった世界観で、「Poiyomiがよくわからない」初心者でも、プリセットの使用方法が同梱されているので色を悩まず一発でチョコミント系に寄せられる、という導入のしやすさに振った設計です。

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集計ベースの数字と、分析軸ごとのランキングで3月のギミック・ツール全体を見ていきます。

指標
対象件数83 件
平均スキ数945
中央値スキ数540
平均価格¥551
中央値価格¥500
無料商品の割合34%(28 / 83件)
¥1,000未満の割合81%(67 / 83件)
「Modular Avatar対応」サブカテゴリの登場47%(39 / 83件)
Top 10 のうち改変支援(ツール)系8件(#1〜#8)
Top 10 のうちランタイム演出系2件(#9 脳内ギミック / #10 プリセット)
Top 10 のうち完全無料公開5件(#3 / #5 / #6 / #7 / #8)

3月の数字でまず目を引くのは、中央値価格が2月の¥250から¥500へ戻り、無料の割合も44%から34%へ揺り戻したこと。一方で対象件数は56件(1月)→ 77件(2月)→ 83件(3月)と伸び続けていて、中央値スキ数は540まで下がりました。これは出品数が増えてカテゴリの裾野(小さな無料ギミック)が厚くなったぶん、スキ数の中央値が下に引っ張られた形と読めます。

特徴・機能:MA対応は半ば定型、実態は改変支援ツールへの集中

特徴・機能 TOP10

商品の特徴や機能・ギミック種別の分布。

特徴軸の集計はMA対応39が頭ひとつ抜けて首位、続いてlilToon対応13 / パーティクル11 / シェーダー9 / Poiyomi対応6 / ワールドギミック6 / デスクトップ対応5 / Udon4 / フェイストラッキング4 / ワールド固定4。ただ、ギミック・ツールカテゴリでは MA対応・lilToon対応は「対応していて当然」として半ば定型的に付くタグ なので、ここが首位なこと自体はカテゴリの方向性をあまり語りません。

実態に近いのは頻出キーワード集計の方で、MA対応41・ギミック39に続いて ツール27・エディタ拡張23・カスタマイズ可能18・改変11 と「Unityエディタ上で改変作業そのものを助ける道具」を指す語が厚く積み上がっている のが3月の特徴です。1月(エディタ拡張24で最頻出)・2月(同37で最頻出)から続く流れで、3月は Top 10 が #1〜#8 まで全てツール(顔トラ・色/AO/SDF・体型・軽量化・位置合わせ・メニュー管理・AIエラー解決)で埋まったことと完全に整合します。特徴タグより「どんな作業を助けるツールがランキング上位を取ったか」を見たほうが、カテゴリが改変ワークフロー支援へ振れたことがはっきり見えてきます。

その層を象徴する Top 10 圏外の1点として、7位 EX Menu Manager と同じ ADDTools さんが、マテリアル設定を一括編集できる無料ツールも3月に出しています。

「Material batch Changer」は、アバターのマテリアル設定をまとめて一括編集・コピーできるUnityツール。lilToonやPoiyomiに対応し、影や色味の統一が手軽にできる無料ツールです。ADDToolsさんは #7 EX Menu Manager(メニュー管理)とこの Material batch Changer(マテリアル管理)の両方を無料で出していて、改変ワークフローの違う困りごとを無料ツールで連続的に埋めにきています。

対応モデル:こまど系 + しなの + まよが基準セット

対応モデル TOP10

対応しているアバターモデルの分布。

対応モデル軸の集計はしなの2 / まよ2 / セレスティア2 / マヌカ2 / ミルティナ2 / リル2 / ルルネ2 / 愛莉2 と、2件横並びの分布。ツール系は「Humanoidなら基本動く」と謳う商品が多いので特定アバター名の集計は分散しがちですが、その中でも しなの・まよ・マヌカ・ミルティナ・ルルネが、ツール側がサンプルや動作確認に真っ先に使う基準アバター として並んでいるのは1〜2月から継続した傾向です。

特定アバターへの「対応データ」という形でツールと連動する商品も並んでいて、まよ周辺ではこちらが目立ちました。

「Mayo / まよ用もちふぃった~対応データ」は、もちふぃった~対応の衣装をまよに変換するためのプロファイルデータ。豊富なシェイプキーで体型や胸のサイズ調整ができる作りで、順変換・逆変換の両対応。アバター本体でもツール本体でもなく、「特定アバター × 特定改変システムをつなぐ変換データ」というニッチがギミック・ツールカテゴリに存在している ことを示す1点です。

しなの周辺では、ロールプレイ寄りの演出ギミックも登場しています。

「Take The Shot【お酒口移しギミック】」は、視界が揺れて沈む酔いの演出と、口移しで距離が縮むアニメーションを楽しめるギミック。色やSE、タイミングまで自由に調整できる作りで、¥600。ツール一色だった3月Top 10 の傍らで、しなのなどに対応した距離感の近い演出ギミックも継続して作られている ことが、対応モデル軸から見えてきます。

価格帯:無料が34%、¥1,000未満が約81%

価格帯分布

対象期間にこのテーマで公開された商品の価格帯分布。

価格分布は無料28 / ¥1〜499が13 / ¥500〜999が26、ここまでで67件(=81%)。¥1,000〜1,999が12件 / ¥2,000〜2,999が2件 / ¥3,000〜4,999が2件 / ¥5,000以上はゼロ。¥1,000未満が約81%という塊は1月82%・2月79%とほぼ同じで、カテゴリ全体が¥1,000未満に集中する構造は3か月変わっていません。一方でTop 10 の最高価格は #1 ふぇいとらでき~るの¥3,500で、1月¥2,500・2月¥1,500から見ると、最上位の価格は上がっています。

無料28件は3月のラインナップの裾野を支えていて、Top 10 入りした #3 / #5 / #6 / #7 / #8 のほかにも、無料の改変支援・実用ツールが多様でした。

「VRChat向け Youtube動画URL変換ツール」は、VRChat内でYouTube動画が再生できないときに、URLを貼ってボタンを押すだけでVRChat互換形式に変換してコピーできる無料Windowsソフト。¥0で1,730スキを集めていて、「困りごとに対する小さな単機能ツール」が無料でしっかり支持を得ている 3月の無料層の典型例です。

¥1〜499帯(最頻バケットの一段下)では、非破壊で何でもアクセサリーにする発想ツールが登場しました。

「5秒でなんでも非破壊でピアスにするやつ!」は、あらゆるメッシュを非破壊でピアスや小物として追従させるUnityエディタ拡張。BlendShape連動で表情変化にも自動追従し、口ピアスも手軽に実現できる作りで、¥200。2月のギミック・ツールTop 10 に2作入っていたばんびのちょうじょうさんの3月の新作で、低価格帯にも作り込まれた発想ツールが並んでいるのが分かります。

クリエイター視点で見る3月のトレンド:無料率の揺り戻しと二極化

ギミック・ツールカテゴリの読者にはツール作家・ギミック作家・改変者が多く混じっているので、Top 10 と3月全体の数字から、特にツール作家側が気にしそうな指標をまとめておきます。連載で追ってきた1〜3月の数字を並べました。

指標1月2月3月
対象件数56 件77 件83 件
中央値価格¥500¥250¥500
中央値スキ数771772540
無料商品の割合27%(15 / 56件)44%(34 / 77件)34%(28 / 83件)
Top 10 で完全無料公開2 件3 件5 件
Top 10 の最高価格¥2,500(#3)¥1,500(#8 / #10)¥3,500(#1)

ギミック作家・ツール作家注目ポイント:

  1. 無料率はカテゴリ全体で揺り戻し、でもTop 10 の無料は増えた — 全体の無料割合は44%(2月)→ 34%(3月)と下がったのに、Top 10 の完全無料は3件 → 5件に増えています。「無料にすれば広く配れる」から一段進んで、無料で出すなら上位を取れるだけの実用度が要る/有料で出すなら無料勢と差別化できる機能が要る、という選別が効き始めた月 と読めます。中央値価格が¥250 → ¥500へ戻ったのも、その選別の表れです。

  2. 最上位の価格は上がった(¥3,500が1位) — 1月の最高¥2,500、2月¥1,500に対し、3月は #1 ふぇいとらでき~るが¥3,500でTop 1。顔トラ導入という「機材も知識も要る面倒な作業」を3ステップに圧縮する自動化ツールが、無料の裾野が広いカテゴリの中でも最上位を取りました。「手間を丸ごと消す」価値には価格が高くても支持が集まる、という無料化トレンドの逆側がはっきり出た格好です。

  3. AIを改変支援に組み込む流れが継続 — 2月7位「UnityAgent」(自然言語でUnity操作を代行)に続いて、3月は #8 Unity AI Helper(エラーをVRChat特化AIに質問、Gemini無料枠で完結)がTop 10入り。AIを「改変者の隣に置くアシスタント」として組み込む方向が、2か月続けて上位に現れています。

  4. Top 10 がほぼ改変ワークフロー支援に一極集中 — 3月のTop 10 は #1〜#8 が全てツール(顔トラ・色/AO/SDF・体型・軽量化・位置合わせ・メニュー管理・AIエラー解決)で、純粋なランタイム演出ギミックは #9 脳内ギミックと #10 プリセットの2枠のみ。1月(改変支援6 + ランタイム4)・2月(改変支援7 + 撮影演出3)から見ても、3月は「作る/直すための道具」へ最も大きく振れた月 でした。

まとめ

2026年3月のギミック・ツールは、Top 10 のほぼ全てが改変ワークフロー支援ツールに振れた、道具寄りの月 でした。1位は¥3,500の顔トラ自動導入ツール「ふぇいとらでき~る」(はむ屋さん、1月3位「ギミックつく~る」の作者)で、2位はCIELCH色空間の色変更から顔影SDF・メッシュ最適化までを1本に詰めた TextureColorKit、3位以降も lilToonマテリアル一括編集・体型コピー・Prefab置くだけ軽量化・スケスケ位置合わせ・EXメニュー管理・UnityエラーのAI質問——と、改変者の手間を削るツールが上位を占めました。

カテゴリ全体では中央値価格が¥250(2月)→ ¥500(3月)へ戻り、無料割合も44% → 34%へ揺り戻し。一方でTop 10 の完全無料は3件 → 5件に増え、最高価格は¥3,500まで上がりました。「無料で広く配るだけ」では上位が取りづらくなり、無料なら実用度で、有料なら手間を丸ごと消す機能で勝負する、という二極化 が3か月の数字の流れから見えてきます。MA対応やlilToon対応のような「対応して当然」のタグではなく、頻出キーワードのツール・エディタ拡張・改変が積み上がり、Top 10 が #1〜#8 まで全てツールで埋まったこと——「Unityエディタ上で改変作業を助ける道具」という軸が1月から一貫して太く、そこにAIをアシスタントとして組み込む流れが2月から継続しています。¥1,000未満が約81%という価格構造を保ったまま、改変を「楽にする道具」へとカテゴリの重心がさらに寄った月でした。

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データについて

  • 集計日: 2026-05-16
  • 集計対象: 2026-03-01 〜 2026-03-31 に公開されたギミック・ツール(83件)
  • ランキング基準: 集計時点での like_count(スキ数)降順
  • 掲載条件: VRCFinderのDBには スキ数300以上の商品 のみを収集しているため、集計時点でスキが300に達していない商品はこの集計に含まれていません
  • 注意: 本記事の数値・ランキングは集計日時点のスナップショットです。その後の変動を反映していないため、現在の数値とは異なる場合があります
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