2026年3月にBoothで公開された新作のギミック・ツールから、スキを多く集めた10点をデータと一緒に振り返ります。3月は対象が全83件で、1月56件 → 2月77件 → 3月83件と緩やかに伸び続けた一方、中央値価格は¥250(2月)から¥500へ戻り、無料の割合も44%(2月)から34%へ揺り戻しました。Top 10 の並びは顔トラ自動導入・色変更&顔影SDF生成・体型コピー・Prefab置くだけ軽量化・スケスケ位置合わせ・EXメニュー管理・UnityエラーのAI質問——と、Top 10 のほぼ全てが「改変ワークフローを楽にするツール」に振れた月 でした。中でも1位は¥3,500の顔トラ自動導入ツールで、これは1〜3月のTop 1 で最も高い価格。無料の裾野が広いままでも、面倒な作業を丸ごと自動化する高機能ツールには価格が高くても支持が集まる、という二極化が数字に出ています。
📊 データについて 集計日: 2026-05-16 / 対象: 2026-03-01〜2026-03-31 に公開されたスキ数300以上のギミック・ツール(83件)
- 注目ギミック・ツール10選
- 1位:ふぇいとらでき~る / はむ屋
- 2位:TextureColorKit / kobokits
- 3位:liltoon Material Editor / ぐれんちゃんぐ
- 4位:Silhouette+ / qbshop
- 5位:EasyAvatarOptimizer / toomov
- 6位:すけすけ位置合わせツール / kokoa factory
- 7位:EX Menu Manager / ADDTools
- 8位:Unity AI Helper / れもねるうるねる
- 9位:脳内に直接語りかけていますギミック / ぶんふぃにてぃ
- 10位:なんでもチョコミントブループリセット for Poiyomi / Lawdamassyしょっぷ
- 2026年3月の傾向
- まとめ
注目ギミック・ツール10選
集計時点(2026年5月)のスキ数で並べたランキング形式で、1点ずつ仕様と作り込みを見ていきます。
1位:ふぇいとらでき~る / はむ屋
1月レポートで3位だった「ギミックつく~る」を制作されたはむ屋さんの新作で、VRChatのフェイストラッキング(VRCFaceTracking)設定を自動かつ非破壊で導入できるUnityエディタ拡張です。4,502スキで3月のギミック・ツール最上位、価格は¥3,500で、これは1〜3月のTop 1 の中で最も高い値付けでした。
このツールの肝は、「アバターをセットして3ステップ操作するだけで顔が動き出す」 という導入のハードルの低さです。アバターごとに違うシェイプキー名を、内蔵辞書と頂点の移動方向・影響領域の解析から自動推論し てフェイストラッキング用にマッチングし、結果は Modular Avatar 経由で非破壊統合される設計。専用機材がなくてもスマホやWEBカメラを顔トラデバイス化する環境設定ウィザードまで同梱されていて、「機材が要る」「アバター毎に対応データが要る」「Unity設定が難しい」という顔トラ導入の3つの壁を、ツール側でまとめて引き受けています。
途中で発売された後継版「ふぇいとらでき~る2」は、購入者は無料でダウンロードできる扱い。1つの動きに複数シェイプキーを割り当て・シェイプキー限界突破・入出力の信号調整・エディタ上のライブプレビュー・リップシンクやまばたきとの自動干渉防止・.ftprofile でのプロファイル書き出し(配布可)と、顔トラ改変まわりを一通り内蔵しています。日本語・英語・韓国語・中国語・スペイン語のローカライズ対応で、UI/UX設計やPR動画など制作協力者を立てた体制で作られているのも、高単価ツールらしい作り込みです。
2位:TextureColorKit / kobokits
テクスチャの色変更・AO焼き・顔影SDF生成・マテリアル/メッシュ最適化を、Unityだけで完結させるエディタ拡張。PhotoshopやGIMPを開かずに、色替えからマップ生成・PNG保存まで全部Unity内で終わらせる構成で、4,251スキで2位に入りました。¥900です。
特徴的なのが、人間の目に均一に見える CIELCH色空間 で色を調整する点。Shift(色相を相対回転)/ Replace(色相を絶対固定、無彩色や白黒にも着色可)/ Gradient(UVアイランド単位で方向グラデ)の3モードがあり、欲しい色を指定するとテクスチャを自動解析して最適パラメータを当てる自動カラーマッチも搭載しています。さらに アニメ調の顔影SDFマップを自動生成 する機能があり、商品画像でも「通常影適用」と「SDFマスク適用」の頬の影の出方の違いがそのまま比較で示されていて、lilToonの_FaceShadowTexture互換フォーマットで出力、10種アバターのSDFプリセットも同梱。GPUのレイトレーシングで高品質AOマップを高速ベイクする機能、6種パターンの手続き型ノーマルマップ生成、UVアイランドを視覚選択してマスクをPNG書き出し——と、改変者が外部ペイントソフトでやっていた作業をUnity内に丸ごと取り込んだ作りです。
日本語・韓国語・英語の3言語UIで、マニュアルもNotionで多言語整備。月内のv1.0公開後も継続更新が続いていて、4〜5月にかけて顔影SDFベイク・ノーマルマップ生成・Texture/Material/Mesh Merge(最適化)が順次追加されています。
3位:liltoon Material Editor / ぐれんちゃんぐ
lilToonマテリアルを「複数まとめて」編集できるUnityエディタ拡張。3,597スキで、Top 10 で最初に現れる無料公開枠です。アバター制作時の微調整や量産作業を時短したい人向け、と用途がはっきり絞られています。
ヒエラルキー選択と自動同期して対象のlilToonマテリアルを自動収集し、カテゴリ単位/プロパティ単位で「どこを変えるか」を細かく選んで、選択マテリアルへ一括適用できる作り。「複製して適用」で元マテリアルを保持したまま差し替えられて、直前の適用を戻すRevertもあるので、量産作業で同じ調整を何十マテリアルにも当てるときの手戻りが小さく済みます。商品画像でも「複数マテリアルを一発同期」とそのまま謳っていて、やることを「lilToonマテリアルの一括編集」だけに絞り切った潔さ が無料Top 10入りの理由が分かるツールです。日本語/英語のUI切り替えに対応しています。
4位:Silhouette+ / qbshop
「このアバターの体型いいな」と思ったときに、身長・頭身バランス・脚長などを別アバターへコピーできる体型調整ツール。3,318スキ、¥500です。お手本アバターを指定すると、Unityシーンに並べたときに高さと頭身が自然に揃うように体型を近づけてくれる作りで、コピー後はスライダーで微調整できます。
お手本がなくても、お兄さん/お姉さん/少女・少年/モデル(脚長体型)/幼児(SD体型)のクイックプリセットから体型を作れて、首・胴体・腰ヒップ・腕・脚・手足サイズなどを部位別にスライダー調整。オプションで同名ボーンを持つ衣装リグや髪リグにもスケールを反映できる ので、体型を変えたときに衣装や髪が追従しや すくなります。ボーンスケールを変える方式(メッシュは触らない)なので、極端な変形は破綻するという注意書きも正直に書かれていて、「素体で体型調整 → その後に衣装を着せる」というワークフローを推奨する形。月内のv1.0公開後、英語UI対応・衣装へのスケールコピー追加・胸板の微調整軸追加など、改変者のフィードバックを受けた更新が続いています。
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5位:EasyAvatarOptimizer / toomov
「めんどくさいから軽量化していない」人向けに作られた、Prefabをアバター直下に置くだけで軽量化が終わるツール。2,900スキの無料公開で、Top 10 の無料枠の中でも導入ハードルの低さに振り切った1点です。
このツール自体が何かを直接圧縮するのではなく、AAO(Avatar Optimizer)・Avatar Compressor・d4rkAvatarOptimizer・Meshia Mesh Simplification・VRCFury・NDMF という 既存の定番OSS軽量化ツール群を、セットアップ画面から一括導入してPrefab一個に束ねている のが設計の核。導入を簡単にするセットアップ機能と、必要コンポーネントを自動でアバタールートへ非破壊移動するシステムを用意して、「軽量化の知識がなくてもPrefabを置けば終わる」状態を作っています。画質を劣化させすぎない設定に寄せている一方、細かく詰めたい人には非推奨と正直に線引きしているのも好感が持てます。1月1位だった無料のアバター軽量化ツール「LAC」と同じく、無料 × 軽量化という系譜が3月も継続して上位に入った 形です。
