月間レポート

【2026年1月】VRChat人気「ギミック・ツール」ランキングTOP10|Booth傾向分析

2026-05-05更新: 2026-07-13約35分で読めます · 17,480文字
【2026年1月】VRChat人気「ギミック・ツール」ランキングTOP10|Booth傾向分析

ギミック・ツールは、衣装や髪型と違って「改変の道具」そのものが商品になるカテゴリです。2026年1月にBoothで公開された新作を上から並べると、ツール作家が作る改変支援系と、ギミック作家が作るランタイム動作系の同居という、このカテゴリならではの景色が見えてきました。

首位に立ったのは、テクスチャを自動分析して容量を最大90%以上削減する、無料の軽量化ツール(16,733スキ)でした。まずはこの1点から順に見ていきます。

📊 データについて 集計日: 2026-07-13 / 対象: 2026-01-01〜2026-01-31 にBoothで公開されたスキ数300以上のギミック・ツール(104件)

注目ギミック・ツール10選

集計時点(2026年7月)のスキ数で並べたランキング形式で、1点ずつ仕様と作り込みを見ていきます。

1位:LAC: Avatar Compressor (Beta) / Lydia

アバターのテクスチャを自動分析してビルド時に最適なサイズへ圧縮するNDMFユーティリティ。商品ページのメインビジュアルが「200MB → 10MB」「最大90%以上削減」という振り切った数値で訴求していて、実際の作例としても Original 364.96 MB → After 3.27 MB(99%削減)といった事例が掲載されています。集計時点で16,733スキと2位に約6,000差をつけた首位、しかも¥0の無料公開という、月の地形そのものを変えた1点です。

設計の核は 6つの圧縮プリセット(High Quality / Quality / Balanced(デフォルト)/ Aggressive / Maximum / Custom)から1つ選ぶだけのシンプルなUIで、Main / Normal / Emission / Other のテクスチャ種別ごとにON/OFFフィルタも用意。テクスチャごとの複雑度(%)に応じて自動で最適サイズへ落とす仕組みで、「Chiffon_Body 23% → 2048×2048 を 256×256 に」のように何が縮められて何が保たれているかが事前に分かる作り。「縮めたくないテクスチャは Freeze で個別保護」もできて、自動圧縮 + 手動保護のハイブリッドで品質を細かくコントロールできる作りです。

実例として、同じピンクのコート姿のアバターがダウンロードサイズ 32.78 MB → 8.88 MB、テクスチャメモリー 192.36 MB → 3.45 MB まで縮んでいるのに、見た目はほぼ変わらないビフォー/アフター比較が掲載されていて、容量削減と表示クオリティのトレードオフ感がかなり緩和されているのが分かります。

導入はアバターのコンポーネントとして「LAC Texture Compressor」を1つ追加するだけ。NDMF(Non-Destructive Modular Framework)の仕組みで変更はビルド時のみ適用され、元のFBX・テクスチャファイルは一切書き換わらないので、合わなければコンポーネントを外すだけで元通りに戻せる完全非破壊設計。Modular Avatar や Avatar Optimizer と併用できるのも実用上の強みです。

配布面の特徴として、本ツールは MITライセンスで GitHub 公開(github.com/Limitex/avatar-compressor)されており、バグ報告や機能追加要望を Issues で受け付けています。ALCOM / VCC からは公式ドキュメントサイト(lac.limitex.dev)経由で vpm リポジトリとして1クリック追加でき、Booth の UnityPackage は anatawa12 さんの VPAI で生成された自動インストーラ——OSS フローをまるごと Booth に乗せた珍しい配布形態です。Beta 版ながら無料・MIT・ドキュメント整備の3点が揃っているのが、改変ワークフロー全体への影響度を一段押し上げています。

2位:Kami-Pita(髪ピタ) / ゆいちゃまーと

「あの子の髪型、私のアバターでも使いたいけど位置合わせが面倒」を一発で解決する髪フィット支援ツール。スライダーで位置・回転・スケールを調整 →「完了」ボタンで Modular Avatar 経由のセットアップまで自動完了する、改変補助系では1月最大の話題作です。集計時点で10,834スキと、このカテゴリでは異例の1万超えが2作並ぶ月になりました。1月10日の v1.0 公開から約3週間で v3.0 まで進めたスピード感も特徴です。

機能の盛り具合がツールの域を超えてきていて、v3.1 で追加されたメッシュ微調整(Deformer)はブラシツールで直接メッシュを変形でき、移動・回転・拡縮の3モード × X/Y/Z対称編集 × Undo/Redo 完備という、Unity 標準のメッシュ編集ツールに近い作り。質感合わせ(髪キメラ)はlilToon専用の機能で、前髪と後ろ髪が違う商品でも、影・リムライト・光沢の設定を一括コピーして統一感を出せるという、改変ユーザーの「合体させたら質感がバラバラ」問題に正面から取り組んだ機能です。

もうひとつの持ち味がプリセット機能で、.json の配布・販売をOKにしている点。「元のアバター → 改変先のアバター」のメモ情報込みで保存できるので、コミュニティ内で位置合わせデータを流通させられる構造になっています。基準アバターのマヌカを中心に、プラム・ショコラ・ミルティナ・しなの・Sio など複数アバターの対応プリセットを同梱して¥1,500(中身の変わらない応援枠¥1,800も用意)。同じく1月 Top 10 入りした #6 HayaNuri! / #8 ExMenu Organizer / #10 KoreSuki! と合わせて、ゆいちゃまーとさん1人で Top 10 に4作という、月のクリエイター集中の象徴になりました。

ゆいちゃまーとさんによる紹介PV
ゆいちゃまーとさんによる機能紹介PV

3位:ギミックつく~る / はむ屋

「ギミックを作るギミック」——豊富なプリセットから選ぶだけでアバターギミックを生成し、自作した3Dモデル・音声データを差し込んで自分だけのギミック化にも対応する制作支援ツールです。集計時点で7,555スキ。¥2,500 という Top 10 で最も高い価格帯ながら、3位に食い込むリーチを獲得しました。

搭載プリセットの幅がとにかく広く、心音 / キスサウンド / 手つなぎ / 食べ物もぐもぐ / なでなで / 音楽プレーヤー / 懐中電灯 / ペット / 回転ヘイロー / 小物スケール調整 / マテリアル色変え / マテリアル切替 / 物の出し入れ / スライダー操作 / アバターペン / ポーズクリエーター / 乗り物 / ジェスチャークリエーター / テレポート / オブジェクトワールド固定 / AFK演出 / コライダージャンプ ——22種類のプリセットが並んでいて、それぞれ Quest対応の有無まで明記されています。

技術的に注目したいのが「プリセット製作者モード」で、はむ屋さん以外の他ショップが外部プリセットとして組み込んで販売することを許可している点。生成データは商用利用可能・販売可能で、Prefab化・UnityPackage化・Readme作成サポートまで内蔵しているので、ギミッククリエイターが自作素材を商品化する初手として使える設計になっています。クレジット欄には7名のテスター・技術サポートが並び、商品開発自体が小さなコミュニティで回っているのが見て取れます。

はむ屋さんによる紹介PV

Sponsored

4位:ふわぬぎ Fuwanugi / Toron_(とろん_)

胸元で手をグーにするとその場に服を脱ぎ捨てる脱衣ギミック。タイトル通りの直球で、VRはハンドサイン操作・デスクトップはメニュー操作という二系統が用意されている、撮影演出系の定番枠を狙った1点です。集計時点で6,286スキ。

注目したいのは v2.0 (beta) で実装された衣装非複製アーキテクチャで、従来 v1.x が「衣装を複製してアバター容量を圧迫し、落下時にTポーズになってしまう」課題を抱えていたのを、自然な形を保ったままその場で落下させる仕組みにリビルドしました。さらに v2.1a でふわぬぎLink という連動ツールを追加していて、ふわぬぎのON/OFFと連動してシェイプキー値を変更したり、別の衣装(下着等)のON/OFFを切り替えたりできるようになっています。

導入は「脱衣ギミックPrefabをアバター直下にD&D → Toron_メニューから AutoSetup → 衣装をスロットに入れて実行」の3手で完結する設計で、¥300 という Top 10 の有料枠で最安ライン。Toron_ さんは多機能改変ツール「えっせんしゃる」も同月公開していて、1月のToron_さんは「脱衣 × 改変補助」の二系統で月内2作リリースという働きでした。

5位:ぜるかなボード / ぜるらぼ (zelLab)

VR中にHMDを外さず日本語入力ができるSteamVR対応キーボードアプリ。VRChatのテキストボックス・ワールド検索・ステータスメッセージ変更・インバイト返信のすべてに漢字変換が乗る、Top 10 で唯一のBoothアセットではない外部アプリ枠です。集計時点で6,223スキ。

設計思想がBoothのVRChatツール群とは少し毛色が違っていて、SteamVRオーバーレイアプリとして動作するため Unity も VRChat SDK も使いません。Windows 11 / Quest 3 / PICO 4 Ultra / Index Controller の組み合わせで動作確認済みで、スタートアップオーバーレイ登録で SteamVR 起動と同時にバックグラウンド常駐させる運用ができます。左サムスティックボタンでキーボードの表示・非表示、キーボード上にカーソルがある状態でグラブして移動、右スティック上下で拡大縮小——VR内でのウィンドウ操作系がしっかり練られています。

価格は無料版で「漢字変換 + ワールド検索 + ステータス変更」が全部使える設計で、有料版(¥500)にするとチャット直接送信と腕追従型フリックキーボードが解禁。「無料版で改変ユーザーのワークフローに食い込み、深く使いたい層に有料版を売る」 という、ツール作家らしい段階的価格設計です。1月公開の v2.0 で漢字変換が乗ったタイミングが、Top 10 入りに必要なリーチを稼いだようでした。

ぜるらぼさんによる紹介PV
ぜるらぼさんによる機能紹介PV

6位:HayaNuri!(はやぬり!) / ゆいちゃまーと

lilToon用のマスクテクスチャをUnity上のクリックだけで作れるUnityエディタ拡張。ペイントソフトを開かずに眉毛だけ色変えしたい・瞳の発光設定を作りたいといった改変を一発でこなせる、テクスチャ作業特化のツールです。集計時点で5,258スキ。

一番の見どころは「シーン上にマウスを乗せると、対応するテクスチャの位置を逆引きしてくれる」機能で、「3Dのこの部分は、UVのどこ?」という改変者が常に直面する問題を視覚的に解決します。ワンクリックでパーツごとのまとまりを自動認識(眉毛・瞳・まつげなど)して、はみ出し防止機能込みでマスク化。プレビュー上をなぞって塗ると、Unity だけで完結するワークフローが組めます。

Unity 2019.4以降で動作・特別な前提アセット不要という導入の軽さも美点。同じくゆいちゃまーとさんの #2 Kami-Pita と #8 ExMenu Organizer が「アバター本体改変・メニュー整理」に対応するのに対し、HayaNuri! は「テクスチャ改変」というレイヤーを担当する形で、各作品が改変ワークフローの違うフェーズを埋めているのが面白い構図でした。¥1,500(フル機能版¥1,800)。

ゆいちゃまーとさんによる紹介PV

Sponsored

7位:Gradation Baker / dennokoworks

3D空間基準でグラデーションを焼き込めるUnity拡張機能。UVを意識せずに対象モデルへ均一なグラデーションテクスチャを生成できるのが核で、複数メッシュからなる髪や衣装でも揃ったグラデーションを作れるという、テクスチャ作業を空間的に解く発想のツールです。集計時点で3,753スキ。

特徴的なのがシーンビュー上のボックスをドラッグ操作で位置・回転・サイズを調整するUIで、グラデーションの向きと幅を直感的に決められる作り。X/Y/Z軸のミラー対応、ボックス型と球形の切り替え(v1.2.0 で追加)、128〜4096 の解像度切替、背景色の透明/白/黒切替まで対応。v2.0.0(4月)でプレビューシステムが置き換え・加算・スクリーン・乗算の4モードに刷新されたので、現在の最新版は1月公開時点よりさらに進化しています。

このツールも GitHub(github.com/dennoko/GradationTextureGenerator)公開で、ツールで作成した画像は商用・非商用問わず自由に利用可としているのが珍しいラインです。「技術書支援版」(¥2,000)が用意されていて、購入費用を技術書の購入に充てると明記されている、クリエイター支援文化の表れたモデル。¥500(通常版)で「設定値を変えながら何度でも焼き直せるテクスチャ作成支援」が手に入る、髪・衣装改変層には刺さるラインです。

8位:NDMF ExMenu Organizer / ゆいちゃまーと

散らかった VRChat の Expressions Menu をドラッグ&ドロップで整理できるUnityエディタ拡張。Modular Avatar 経由で動く NDMF 対応ツールで、元のアセットファイルを一切書き換えない非破壊編集が大きな売りです。集計時点で3,514スキ。

ExMenu の整理は本来「サブメニューのアセットを1つずつ作って、親メニューから参照して……」という手間のかかる作業ですが、このツールではリスト上でD&Dするだけで項目の並べ替え・サブメニューへの移動が完結。「Import」ボタンで現在のメニューをワンボタン取り込み、ビルド時には Component を外すだけで元の状態に戻るので、メニュー構成を試行錯誤するときも安心です。

さらに実用的なのがパラメータ自動お掃除で、ビルド時に使われていない無駄なパラメータを自動削除してアバターのメモリを節約します。¥500(フル機能版¥700)という価格と、ゆいちゃまーとさんの月内連発のリズムが、クリエイター集中を Top 10 に押し上げた構図です。

ゆいちゃまーとさんによる紹介PV

9位:ハイタッチギミック / るるりらぼ - RururiLab

他の人の手と触れ合うとパーティクルアニメーションと音が弾けるハイタッチエフェクト。Top 10 で2件目の無料公開ピックで、MA対応で色んなアバターにポン入れで使えるインタラクションギミックです。1月31日公開と月末滑り込みながら、集計時点で3,411スキを集めました。

無料版はハイタッチ本体に加えて、おまけとしてビンタ(Head)とツッコミ(胴体)も収録。EXメニューから個別の有効化、音とパーティクルの個別オフ切替もできる構成です。有料版(¥500)にすると手の形で出る音とパーティクルが変化して、グータッチと「仲良しのやつ」(指先を合わせるスペシャル握手)が追加されます。

「無料版で導入のハードルを下げて、有料版で深い遊びを売る」という、#5 ぜるかなボードがツール側で取っているフリーミアム構造が、ランタイムギミック側にも現れた1点でした。

るるりらぼさんによる紹介PV

10位:KoreSuki!(コレスキ!) / ゆいちゃまーと

Prefabから「これ好き!」だけをツリー表示で選んで抽出し、新しいPrefabに書き出すアイテム切り出し支援ツール。「この衣装セット、靴だけ使いたい」「アクセサリーパックのイヤリングだけ欲しい」という改変者の"全部はいらない"を正面から解決する1点です。集計時点で2,406スキ。

核になっているのは、いちばん大変なボーン選別の全自動化です。SkinnedMesh(服や動く小物)を抜き出すときに必要な関連ボーンだけを自動で選別してくれるので、手作業の分解でボーン構造が壊れる事故を避けながら、余計なデータの混ざらない軽い Prefab に切り出せます。元の Prefab は壊さず新しい Prefab を生成する非破壊設計で、Unity Package としての書き出しにも対応。自作アイテムの整理や、特定パーツだけのバックアップにも使えます。

Unity 2019.4 以降で動作して特別な前提アセットも不要という導入の軽さは、同ショップの他ツールと共通です。¥800で、中身の変わらない応援枠(¥1,000)も用意されています。#2 Kami-Pita・#6 HayaNuri!・#8 ExMenu Organizer と合わせて、ゆいちゃまーとさんの月内4作がすべて Top 10 に入るという、このカテゴリならではのクリエイター集中を締めくくりました。

ゆいちゃまーとさんによる紹介PV

Sponsored

ランキングではなく、1月にBoothで公開された104点のギミック・ツール全体から見えてくる傾向をデータで把握していきます。

指標
対象件数104 件
平均スキ数1,366
中央値スキ数726
平均価格¥589
中央値価格¥500
無料商品の割合約24%(25 / 104件)
¥1,000未満の割合約82%(85 / 104件)
Top 10 のうち改変支援(エディタ拡張)系7件(#1 / #2 / #6 / #7 / #8 / #10 + ハイブリッドの #3)

中央値¥500・平均¥589 という価格帯は、同じ月の衣装(¥1,200)・髪型(¥900)と比べてもカテゴリの中で最も低い側に寄っていて、無料が約4分の1・¥500前後が中心という形は、「ツールは広く配って改変ワークフローへの定着を取りに行く」 というクリエイター戦略がそのまま分布に現れたものです。

特徴・機能:MA対応とエディタ拡張が両輪

特徴・機能 TOP10

商品の特徴や機能・ギミック種別の分布。

特徴タグの首位はMA対応の55件で、全104件の過半を占めます。続いてlilToon対応35 / シェイプキー17 / パーティクル17 / シェーダー14 / 表情アニメーション10 / PhysBone対応8 / ワールド固定7という並びです。

頻出キーワードを集計するとギミック31を筆頭に、撮影向け25・改変25・無料24・エディタ拡張21・ON/OFF切替14と続き、「Modular Avatar 上で動くエディタ拡張ツール」と「撮影・改変を支えるギミック」の二本柱が1月のこのカテゴリの主流形であることがそのまま数字に出ています。Top 10 では #1 LAC と #8 ExMenu Organizer が NDMF 系の代表格です。

シェーダーで印象的だった1点として、Top 10 外ではこちら。

「這わせギミックシェーダー【Custom lilToon】」は、深度カメラから取得した深度情報を使い、衣服メッシュをリアルタイムに変形させる仕組みのカスタム lilToon シェーダー。カメラに映る自分の手・他アバターの手・ワールドオブジェクトにも反応して、触手モード(衣服ではなく触手形状の専用モード)まで切り替えられる、撮影演出系で1点目立った作品でした。

MA対応55件の空気を代表するランタイムギミックとしては、V睡(VR睡眠)文化向けのこちらが挙げられます。

よるねこキャット屋さんの「V睡支援フェイスミラーギミック」は、横になると自動で真上からの視点に切り替わるフェイスミラーです。カメラを別途起動せずに自分の顔を確認しながら眠れることを核に、明るいワールドでも眩しさを抑えるナイトモードを搭載。人型アバターなら Prefab をアバター直下に置くだけで導入でき、無料配布から始まって機能を積みながら¥500の有料版へ移行した売り方も、ツールカテゴリらしい育て方でした。

対応モデル:こまどファミリーを基準にしたツール群

対応モデル TOP10

対応しているアバターモデルの分布。

対応モデル軸の集計では、プラム13 / ひきくまりのクマリ8 / しなの7 / キプフェル7 / ミルティナ7 / ショコラ6 / マヌカ6 / ルルネ5 / まめひなた4 / シフォン4 という分布。プラム / ショコラ / シフォン はあまとうさぎさんの「こまどファミリー」で、ツール側もアバター側も「こまどファミリー」を基準として揃えている月だったのが見て取れます。

それを象徴する Top 10 圏外の1点がこちら。

「Komado Adjuster」は、あまとうさぎさんのこまどアバター用の衣装サイズ調整ツールで、新素体(プラム・ショコラ・シフォン・ライム)と旧素体(カリン・ラスク・ミルク Re・ミント・ラムネ・あまなつ)をグループ識別してスケール変換します。右クリック起動 → アバター名と衣装名から自動推測 → ボタン1つでサイズ変換という操作系で、無料公開。1つのアバターファミリーが市場として成熟するとツール側も連動して育つ現象が、1月の対応モデル軸に強く出ていました。

2番手につけた「ひきくまりのクマリ」は、同月公開の新作アバターです。発売直後から対応データが並んだ例として、こちらの変換プロファイルを挙げます。

エカシリコンさんの「ひきくまりのクマリ用もちふぃった~対応データ」は、衣装転写ツール「もちふぃった~」でクマリに他アバター用の衣装を着せる(順変換)・クマリ用衣装を他の子に着せる(逆変換)の両方向に対応したプロファイルです。胸のサイズや足のシェイプキーを使った衣装でも綺麗に変換できるよう作り込まれていて¥600。同月にはミルティナ用の無料版プロファイルも公開していて、「変換データ」という商品ジャンルが1月のツール棚で存在感を増しているのが分かります。

価格帯:¥1,000未満が約82%、無料が約4分の1

価格帯分布

対象期間にこのテーマで公開された商品の価格帯分布。

価格分布は 無料25 / ¥1〜499 が20 / ¥500〜999 が40、ここまでで 85件(約82%)。¥1,000〜1,999が14件、¥2,000を超えるのは5件で、Top 10 の最高は3位の「ギミックつく~る」¥2,500、その他は全て¥1,500以下でまとまっています。衣装・アバターレポートで見られる「¥5,000超えの重い1点」は、ギミック・ツールにはほぼ存在しない月でした。

無料25件は1月のラインナップ全体に大きく効いていて、Top 10 の1位 LAC と9位ハイタッチに加え、ニッチな課題に直球で答える無料ツールも並んでいます。

シリアルのお店さんの「ManualAFK」は、Bigscreen Beyond などヘッドセットを外しても AFK が自動で入らない環境向けに、Expression Menu から AFK を手動でオン/オフできるようにする無料ギミックです。独自のAFK表現は持たず、アバターに設定済みの Action / FX レイヤーを参照するので違和感なく使える設計。特定ハードの利用者が確実に困る一点だけを解決する、無料枠らしい1点です。

最厚の¥500〜999帯からは、撮影まわりの定番課題を解くこちら。

悪の組織さんの「悪のポーズシステム」は、Boothで買ったポーズ・ダンスアニメーションをVRChat内でそのまま再生できるようにする¥800のギミックです。市販・自作を問わずアニメーションをメニューのフォルダに入れてボタンを押すだけで組み込め、移動固定・上半身だけ自由・手だけ自由・完全固定の4モードを切り替えられます。Unity上でしか使えなかったポーズ集をワールドでの撮影に持ち出せる、撮影文化と相性のよい1点です。

クリエイター視点で見る1月のトレンド

ギミック・ツールカテゴリの読者にはツール作家・ギミック作家・改変者が多く混じっているので、Top 10 と1月全体の数字から、クリエイター側に響きそうな指標をまとめておきます。

指標2026年1月
対象件数104 件
中央値価格 / 中央値スキ数¥500 / 726
Top 10 のうち改変支援(エディタ拡張)系7件
Top 10 で完全無料公開2件(#1 LAC / #9 ハイタッチ)
Top 10 で NDMF 利用2件(#1 LAC / #8 ExMenu Organizer)
Top 10 で GitHub 公開を確認できた商品2件(#1 LAC(MIT) / #7 Gradation Baker)
月内に複数バージョンを刻んだ Top 103件以上(#2 v1.0→v3.0 / #4 v2.0 beta→v2.1a / #5 v2.0で漢字変換)
同月内に Top 10 へ複数作ランクインゆいちゃまーとさん4作(#2 / #6 / #8 / #10)、Toron_さんは #4 + 圏外1作

ツール作家注目ポイント:

  1. 無料 + OSS の上振れ — 1位の LAC が ¥0 + MIT + GitHub 公開 という、Booth の通常の有料配布フローから外側にある形態で16,733スキの月間1位を獲得し、9位ハイタッチも ¥0 で導入 → 有料版で深い遊び という設計。Boothを単なる「課金プラットフォーム」ではなく「無料ツールの導線」としても使う動きが、ギミック・ツールカテゴリの上位を一段引き上げているのが1月のトレンドです。

  2. ツール作家のクリエイター集中 — ゆいちゃまーとさんが月内4作をすべて Top 10 に載せた現象は、衣装・髪型レポートでは年に数回しか起きないクリエイター集中ですが、ギミック・ツールでは「同じツール作家が改変ワークフローの違うフェーズを連続でカバーする」運動として現れるのが特徴的。アバター本体改変(Kami-Pita)→ テクスチャ改変(HayaNuri!)→ メニュー整理(ExMenu Organizer)→ パーツ抽出(KoreSuki!)と、1人の作家が改変フローを縦断的に作り込むスタイルです。

  3. 公開後の高頻度アップデート — Kami-Pita が月内に v1.0 → v3.0 まで進めた(その後もv4系まで更新継続)のを筆頭に、ふわぬぎは v2.0 beta + v2.1a Link、ぜるかなボードは v2.0 で漢字変換を実装と、上位陣は公開後すぐに改善サイクルを回しているのも1月の特徴。改変ワークフローの道具は「使い始めて課題が出る」のがリリース後なので、作家側のレスポンスの速さがそのまま Top 10 入りに効いている構図でした。

まとめ

2026年1月のギミック・ツールは、改変支援系(エディタ拡張)が Top 10 の7割を占めた月でした。改変支援側は NDMF + Modular Avatar + lilToon という現行ワークフローに乗ったツールが標準形になり、特に1位 LAC(¥0 + MIT + GitHub)と、月内4作すべてを Top 10 に載せたゆいちゃまーとさん(Kami-Pita / HayaNuri! / ExMenu Organizer / KoreSuki!)が、月の地形を作りました。ランタイム側は ふわぬぎ・ハイタッチ といった1点で場が沸くインタラクションが下支えしています。

価格分布は ¥1,000未満が約82%・無料が約4分の1 と、衣装・アバターレポートとは桁が違うほど低価格に寄っていて、「ツールは広く配って改変ワークフローへの定着を取りに行く」 というクリエイター戦略がそのまま数字に現れています。無料 + OSS(LAC は MIT ライセンス)という Booth の枠を越えた配布形態、月内に複数バージョンを刻む高頻度更新——VRChat 改変ワークフローの土台部分を支える「ギミック・ツール」というカテゴリの性格が、1月の Top 10 にそのまま映し出された月だったといえそうです。

Sponsored

2026年1月のほかのカテゴリ

2026年1月にBoothで公開された新作は、カテゴリ別に月次レポートとしてまとめています。


データについて

  • 集計日: 2026-07-13(初出公開時の集計日: 2026-05-05)
  • 集計対象: 2026-01-01 〜 2026-01-31 に Booth で公開されたギミック・ツール(104件)
  • ランキング基準: 集計時点での like_count(スキ数)降順
  • ブラッシュアップ: 本記事は2026-07-13に構成を最新フォーマットへ更新し、ランキング・統計も同日の再集計値へ差し替えています
  • 掲載条件: VRCFinderのDBには スキ数300以上の商品 のみを収集しているため、集計時点でスキが300に達していない商品はこの集計に含まれていません
  • 注意: 本記事の数値・ランキングは集計日時点のスナップショットです。その後の変動を反映していないため、現在の数値とは異なる場合があります。また「公開」はBoothの商品ページが公開された時期を指し、実際の販売開始時期とは異なる場合があります
  • 各商品の対応モデル・スペック・価格は Booth 商品ページに基づきますが、記事執筆時点の情報です。セール価格・アップデート情報は変わる可能性があるため、購入前に Booth 商品ページをご確認ください
シリーズアーカイブ

ギミック・ツール月次レポートの記事

同じ連載の過去記事・最新記事をまとめて読めます。

次に読む記事

タグやカテゴリが近い記事から、続けて読みやすいものを選びました。

ブログ一覧に戻る